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Re: 白泉荘のひまつぶし (高校生も鬼ゴッコしちゃいます ( No.23 )
日時: 2011/03/30 11:24
名前: 紗夢羅 (ID: PR3Fak4z)
参照: 知ってたらどもー♪初めましてもどもー♪

1deyz5

「不・・不のオーラが?」
颯君がさらに後ずさりする。
ここで説明しよう。彼女、川口ルナ君は人気少女漫画雑誌
「ボンジョルノ」で連載している売れっ子マンガ家である。
しかし彼女は極度のマイペースであり、仕事中もそれは変わらない。
彼女のアシスタントである百語ナオ君は、毎回それに苦労も多いようで・・・彼女に会うたび顔色が悪くなっている気さえする。
締め切り前のルナ君は、それまでマイペースで書いてきたために原稿の仕上がりも最悪。なので彼女の体から一気に不のオーラが出てきて、104号室の部屋周辺はなぜかドス黒い「何か」で包まれているのだ。

「・・・そして今日は問題の締め切り前日なため、ルナ君のオーラの出方は最高潮にまで達している。さすがにおかしいぞと思ったあげく
ボンジョルノの編集者で担当している水獅倖君も今日は来ていた。
・・まぁ、彼女は冷静なのかはわからんが 廊下の椅子で寝ていたがな」
ボクがため息をつくと金時君が立ち上がる。

「・・・だから身の安全のためにも俺達にも手伝えと?」
「簡単に言えばそうなる。」
「いやだぁぁぁよぉぉぉ!!!!!」
ジュンキ君が叫ぶ。
「ただでさえ俺さっき、梓と金時にしごかれて苦を味わったのに・・・
またそんな強敵相手しなきゃなんな」
「それ以上弱音はいたらルナのアシスタントのナオさんに、護身用の
なぎなたで・・・・」
梓君の目が怖い色で輝いた。
「さぁ…さ・・行こう!皆の衆!!一刻の早くルナさんを不のオーラ
から救い出しにぃ!・・い・・行こう・・」
ジュンキ君が半泣きの状態で立ち上がる。
「よぉーし!ボクもルナちゃんのために勇者になるぅ♪」
ユウリ君のオプションが花から炎に変わった。
・・・裏でそうだな、ユウリ君よ。

なんやかんやで104号室の前まで来た。
あいかわらず部屋の前には、青ざめたナオ君と椅子に座って寝ている
倖君の姿があった。
「・・・毎回の事だけど、今日は特にヤバイね。」
コウスケ君が身ぶるいする。
確かに。それに、今日にかぎって彼女の部屋のドアが開いているために
オーラは廊下にもただよっている。
・・・何かのホラー映画がSFで出てきそうな雰囲気で
廊下は異空間のようだった。

「あ、白さん達・・。助けてくださいぃ!今日のルナ先生はさすがに
怖いですって!私もオカルト系は好きでたくさんのホラーものとかの
映画やドラマはたくさん見てきましたけど。さすがにここまでは
ないですっ!これが現実かと思うと余計に!!」
ナオ君がボクにすがりついて慌てる。
・・・すまないがナオ君。今ボクはオーラの事より君が右手に持っているなぎなたの方に恐怖を覚えてしまうよ。

「はわわぁー!私こんなの初めてみましたぁ。
・・・あれぇ?そこで寝ている方はどなたでしょう?」
と、律君がヒョコヒョコと倖君の所まで行って寝ている倖君の方を
ツンツンとつついた。
「んー。ふわわわっ・・・」
「あぁ、スミマセン。起こしてしまいましたかぁ?」
「・ ・ ・ ・ ・」
どうやら倖君は寝起きのあげく、目の前でニコニコしている律君に
状況をつかめていないのか 頭に?マークをうかべてキョロキョロしている。
「・・・あ、いつのまにか寝てました。」
ポリポリと頭をかいて、ゆっくりと立ち上がる。
が、寝起きの彼女は自分の体をコントロールできないのか
フラッとよろめいた。 それを慌てて颯君が支える。
「大丈夫か?・・・・えと、編集者の水獅倖さん。」
倖君を支えながら、彼女の首に下がっていたネームプレートを確認しながら颯君がもう一度 倖君を椅子に座らせた。
すると、倖君が目をこすってムニャムニャ言ったかと思うと
「あれぇ・・・?ルナ先生原稿終わりましたぁ??」
「「!!!!!」」
彼女の一言でボク達は一斉にドアを見た。
キキキ・・・・という、不気味な音をたてながら少々やつれ気味の
ルナ君が出て来た。

「ナオさん・・・トーンはり・・・・してください・・」
ビクッ!自分の名前を呼ばれたからか、ナオ君がうろたえる。
しかし、ルナ君の強烈な視線にたえきれずまたもや顔色を悪くしながら
104号室へと姿を消していった。


どれくらい時間がたったのだろうか。
そしてナオ君はどんな「被害」にあったのだろうか。
仕上がったらしい原稿を持って眠たそうな倖君に手渡して
彼女が倒れるのに、そう時間はかからなかった__________