コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 白泉荘のひまつぶし(参照100突破!しかし紗夢羅は止まらない ( No.24 )
日時: 2011/04/03 12:36
名前: 紗夢羅 (ID: PR3Fak4z)
参照: えー今?特に誰も気配は消してないよー

1deyz6

「ナオさん!大丈夫・・・じゃなさそうですね。」
意識が朦朧としているナオ君にジュンキ君がかけよる。
彼女の状態を悟ったジュンキ君は、颯君に手を借りながらもルナ君の隣で103号室である彼の部屋へナオさんを運んで行った。

「ルナ君は大丈夫かい?」
そう言ってボクは彼女の部屋のドアを開ける。
しかし彼女は、失敗した原稿にインク。様々なペンが無造作に散らばった机に突っ伏して眠っていた。
「・・・ふー。まったく君もホントにほおっておけないねぇ・・・」
ボクはルナ君のベッドにかけてあった、携帯式の毛布を彼女の肩にかけると 静かに部屋を後にした。

部屋をでると、ジュンキ君と颯君に運ばれて行ったナオ君の3人以外は
相変わらず廊下に座り込んでいた。
「あ、白さん。ルナさんどうでしたか?」
金時君がボクに駆け寄り尋ねる。
「今は疲れ果てて寝ているよ。しかし、あれだけボクらを巻き込んだのによくあぁやって寝ていられるね。」
ボクが首をかしげるが、金時君は「はぁ・・。」と意味のないため息をつきながら、
「んじゃ、俺。ナオさんの様子見てきます。」
と言い残して、足早に103号室へと姿を消した。

「ったく、川口さんは・・・。あのマイペースぶりをもう少し直せば
仕事もはかどるのに・・・」
半ばルナ君に呆れながら梓君はキャラが似ていて、すっかり意気投合しているユウリ君と律君を連れて食堂へ戻って行った。

廊下に残ったのは、原稿を黙って目を通しているらしい倖君と
ボクだけになった。
・・・これでルナ君はフリーのために、鬼ゴッコにも参加できる。
しかし、律君と護衛隊率いる鬼から逃げ切るためにはもう少し
人手がほしい。
そう悩んだボクはふと、視界の隅にいた倖君とアシスタントのナオ君が脳内によぎった。
・・そうだ。彼女達も参加してもらえばいいのだ。
思い当ったらすぐ行動に移すタイプのボクは、まず初めに倖君の勧誘を試みる事にした。
「・・・あの、少しいいかい?」
ボクの言葉で、うつろうつろしていた倖君が顔を上げて「はい・・」
とボクを見つめた。
「原稿が仕上がったという事は、しばらく倖君はオフだよね?」
「・・・・・コクッ」
倖君が頷く。
「なら話は早い。」
ボクは顔に微かな笑みを浮かべながらも、倖君に今回の鬼ゴッコの
逃げる側に参加にて貰いたいという提案をする。
すると、彼女は右胸の小さなポケットから白の携帯電話を取り出すと
ボクに手渡した。
「・・・一応、編集長に聞かなきゃかもなんで。」
どうやらボクが電話で直接、倖君の上司でボンジョルノの編集長へと
許可をとらなければいけないらしい。
しかし、「鬼ゴッコをするので。」という理由で頷く人物は少ない。
が、ここで嘘をついて倖君を参加させるのも図々しいので、
仕方なくダメ元で編集長に尋ねる事にした。
「・・・編集長の番号は。・・アドレス帳の所にありますから・・・」
と倖君は言い。眠たい目をこすりながらも、原稿へと目を移した。

アドレス帳から、編集長へと発信ボタンを押す。
そして、3,4回コールが続いて編集長らしき声が聞こえた。
「はい。こちらボンジョルノ編集部編集長の中井です。」
40代前半のような男性の声だ。その口調は少し、ゆっくりだった。
「あ、お忙しいところスミマセンが。そちらで連載しております
川口ルナの担当している水獅倖の代理の者です。」
すると、軽快なBGMをバックに陽気な中井さんの声が返ってきた。
「あぁー・どうも。すみませんねー。アイツの代理なんかで。」
「いえ・・とんでもない。で、一つお尋ねしたいんですが・・・」
ボクが中井さんに、今回の件を伝える。
断られるのを覚悟して返事を待った。
しかし、中井さんの声色は変わらず。
そして、返ってきた返事も以外なものだった。

「あぁー。いいですよー。好きに使っちゃってくださいー♪」