コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 白泉荘のひまつぶし ( No.25 )
日時: 2011/06/06 18:55
名前: 紗夢羅 (ID: PR3Fak4z)
参照: えー今?特に誰も気配は消してないよー

1deyz7

「あぁー。いいですよー。好きに使っちゃってくださいー♪」
なんとも簡単な・・・
まぁ、了解を得ることができたのは嬉しいのだが。
「あ・・ありがとうございます。でわ。」
「あいよー。楽しんできてくださいな♪いいなぁー鬼ゴッコかぁ
私も少年時代は仲のいい友だ」ブチッ・・・

ツー。ツー。
長くなるであろう中井さんの少年時代の思い出話を聞いている余裕は
今のボクには無かったために、電話を切った。
・・・すまない。中井さん。

「・・・ふわわっ・・okでしたか?」
大きな中井さんの声が途中で途絶えたのに気付いたのか、倖君があくびをしながらボクに尋ねる。
「あぁ・・大丈夫でした。楽しんできてくださいとの事です。」
彼女に携帯を返しながらボクも答える。
「あ、そですか。ではよろしくお願いします・・・」
ふかぶかとお辞儀をした倖君だったが、そのまま椅子から崩れ落ちそうになったので、慌ててボクが支える。
すると、隣のジュンキ君の部屋から颯君が出て来た。
「あ、白さんに倖さん!ナオさん目を覚ましましたよぉ」
軽はずみにスキップしながら颯君がボク達に駆け寄った。

「それはよかった。あぁ、そうそう。今回の鬼ゴッコには倖君にも参加していただく事になったよ。それでついでといっては何だが、ナオ君にも是非参加願いたいから彼女を食堂に連れて来てくれ。」
颯君は一瞬キョトンとした表情になったが、すぐにいつもの笑みに変わり「了解でぇーす☆」と言って部屋に戻った。

「あ、そうそう。おーい金時君よ。」
「・・・はい?何ですか白さん。」
ナオさんのおでこに使ったであろう、濡れたタオルが入った洗面器を細い腕で抱えながら金時君が出てくる。
「今から食堂にナオ君と倖君を案内するから、彼女達に君特性の冷たい麦茶を用意してくれ。」
ボクのために一瞬顔をしかめた彼だったが、小さいため息をつきながら
「はぁーい・・・・」
と言って、トボトボと食堂に向かった。

ボクと倖君は食堂に入って、金時君が出してくれた麦茶を飲んでいた。
先程から食堂に戻っていた梓君は調理場で金時君のお手伝いをしており、その周りを律君はウロウロしていた。どうやら、彼女も何かしたいらしい。
「あのぉ・・何をすればよろしいんですか〜?」
律君の言葉に梓君が振り返って_______
「じゃぁ・・、そこのお皿お願いできる?」
「皿洗いですね、分かりました♪」
ようやく仕事が見つかり、機嫌が良くなった律君は鼻歌を奏でながらゆっくりお皿を洗っていく。
すると、食堂のドアが開いてナオ君・ジュンキ君・颯君が入って来た。
ナオ君は颯君に案内されて、ボクの向かい側の椅子に座った。
「お騒がせしてすみませんっ!この通り復活しましたっ!」
「お騒がせなんて、大丈夫だよ。あ、唐突で申し訳ないが・・・」
と、ボクは早速ナオ君に鬼ゴッコの件を話した。
それをナオ君は目を輝かせながら聞いている。
「やりたいですっ!てか是非参加させてください!」
「おぉーそれはよかったよ。」
これで後はルナ君だけだ。
しかし、参加者を集めるだけでこんなに時間がかかるとは・・・
「じゃぁ、最後にルナ君を呼んでこよう。ユウリ君!」
ボクに呼ばれて、調理場の方で金時君になぜかオンブされていたユウリ君がヒョコッと頭を出して「なぁーにぃ?」と満面の笑顔で尋ねた。
「ルナ君を呼んできてくれないかい?彼女、今は寝てると思うから。
起こして構わない。」
「はぁーいっ♪」と、ユウリ君は金時君からおりてスキップしながらルナ君の部屋へと向かって行った。

「何でわざわざユウリを?」
ジュンキ君が尋ねる。
「今からユウリ君が寝ているルナ君を起こし、仮に彼女が不のオーラをまた放ったとしても、彼は動じず不のオーラを消し去ってルナ君を元の状態に戻せるからな。」
「・・・・じゃぁ!何でさっきユウリを使わなかったんですか!」
「彼の方法は恐ろしいものだからな。」
「どんなふうにですか??」
颯君が尋ねる。
「それはボクもあまり分からないが、その時のユウリ君はルナ君に勝てる事から、事の重大さは分かるだろう。颯君よ。」

すると、ユウリ君がニコニコ笑顔のまま食堂に戻って来た。
不のオーラを放っていない、いつもの安全なルナ君を連れて。