コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 白泉荘のひまつぶし(テーマソング決定ですっ♪ ( No.48 )
- 日時: 2011/05/07 20:49
- 名前: 紗夢羅 (ID: PR3Fak4z)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
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─逃側─ 開始6分
「さーって!どこに逃げるかなぁ♪」
都内の並木道をイヤホンで音楽を聴きながら歩く颯君。
余裕たっぷり・・といったその表情は、はたしていつまで続くのだろうか。 お祭り大好きなだけあり、今回の鬼ゴッコを一番全力でやって楽しみそうな住民第1位(白泉裏サイトランキングより。)の彼は中々見者な人物の一人だ・・・
「鬼ゴッコっても、始まったばっかだし・・腹ごしらえでもすっか☆」
「・・・待てぇーい!なんで、ジュンキさん俺に着いて来てんですか!!自分で逃げてくださいよぉ・・・」
金時君と肩を並べて歩くジュンキ君は、そんな金時君の言葉は彼の耳には届いていないだろう。それを証明するかのように、ジュンキ君は金時君の手をひいて近くにあったファーストフード店へと足を進める。
平和な逃走劇を見れる事を祈るよ金時君。
「ああー!カブラペン新しいの出てる!」
「そろそろルナ先生のカブラペンも買い替えたほうがよさそうでしたもんねぇ・・・。今使われてるのは、もうペン先が古そうですし。
・・・・あぁ!!座敷わらしのコミック新刊だぁ!!欲しかったんだよねぇー♪」
都内の大型ショッピングモールの2階で騒いでいるルナ君と、そのアシスタントのナオ君。2人は鬼ゴッコも忘れて、己の欲におぼれるようにショッピングタイムに入っていた。
ったく、まだ始まったばかりというのに緊張感がみじんもなさそうだ。
「・ ・ ・サイダー・・・」
スタート地点である109ビル前のベンチに腰かけて、倖君は眠っていた。しかも鬼ゴッコは開始したというのに気付いていないのか・・?
寝言にサイダーって呟いてるし・・・。
あぁ!もう!まともな逃走者はいないのか!!
少し感情が高ぶり、麦茶のおかわりをしているボクだったが、凄いスピードで点滅している2人のGPSに目を奪われた。
性格とは反対のイニシャル「K,Y」。と、「Y,T」。
コウスケ君とユウリ君だ。。
「のわぁぁぁぁっ!!は・・早いってユウリ!!」
「えぇー?なんか言ったぁーコウスケ?」
すぐさま別のモニターで確認してみると、そこには凄いスピードでの自転車に2人乗りしているコウスケ君とユウリ君だった。しかも、運転しているのはコウスケ君との身長差が16センチも離れているユウリ君の方だった。
「本来ならば、この後ろには白さんが乗る予定だったんだけどねぇー♪んでも、中々コウスケの叫びも面白いからさぁー♪(黒笑)」
完全にコウスケ君のリアクションで楽しんでいる、裏スイッチ全開のユウリ君。・・というか、ボクも参加していたら今ごろコウスケ君ではなくて、ボクが叫んでいたと思うと・・・。あらためて監視役兼傍観者に回ってよかったと感じる。
安堵のため息をついて、またGPSモニターの方へと目を移してみると
コウスケ君とユウリ君とは別の場所に、もう1人スピードの速いGPSが点滅しているのがわかった。
イニシャルは「A,K」。
梓君だった。
別のモニターで梓君の様子を確認してみると、梓君の姿は電車の中だった。・・・コウスケ君達を見たばかりで、一瞬脳裏に同じ光景の梓君が浮かんでいたので少しほっとする。
しかし、その安堵はほんのわずかだった・・・
軽快な音楽と共に流れて来た、車内のアナウンス。
ボクの表情は一瞬にしてこわばった。
「次の停車駅は東京駅です」