コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 白泉荘のひまつぶし(鬼ゴッコ開始しました♪ ( No.54 )
日時: 2011/05/14 21:16
名前: 紗夢羅 (ID: PR3Fak4z)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

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「次の停車駅は東京駅です」

「・・・あららー」←棒読み
以外と運の悪いのか、梓君は鬼側である律君達のスタート地点に向かっていたのだ・・・
その律君達は何処で何をしているのかと思い、
鬼側のモニターに目を移した。

「おおおおおおおおっ!!!!!あっ!!」
「おおおおおおおおっ!?えぇぇぇ!!律様ぁぁぁぁぁ!!!」

・・・お分かり頂けるだろうか。
駅のホームを激走していた律君と、その後を追っていた護衛隊。
しかし律君は、偶然にも秋葉原帰りだったコスプレ少女達を視界にとらえたために、彼女達の方へと一目散に走り去った。
急に律君が走り去って行った意味が理解できない護衛隊は、ただただ彼女を追いかける事しかできなかった・・・

というわけなのだよ。
・・・ん?そういえばボクは誰に言っているのだろう・・
フッ・・まぁいい。
話を戻す。梓君はもちろん鬼側のスタート地点が東京駅である事を
知らない。 ・・・さてさて。面白くなってきた・・

「3番ホームに、各駅停車が到着いたします。黄色い線の内側まで
お下がりください」
ピーーーッ_____________
駅員の甲高い笛の音が、ホームに響き渡る。
その音に護衛隊にコスプレ少女達から引きはがされていた、律君の耳にも届いた。
静かに、電車のドアが開く。案の定。律君のいる場所と、梓君が下りるホームの場所は、およそ80mほどの距離がある。
しかしGPSのモニターには、ゆっくりと梓君に近づく鬼側の点滅ライトが映っていた。梓君視点からの映像に目をやると、すでに律君のひらひらメイド服のフリルを捉える事ができる距離まで近づいていた。
しかし梓君の表情は少しも変わる事なく、こんな小さな一言をあっけなく呟いたのである。

「・・・・あら。鬼側の方達じゃないの。」
クルッと向きを変えた梓君は、物凄いスピードで改札口を通りぬけ、
周りに誰も寄せ付けないような犯罪者並みの極悪ヅラで、たくさんの熱気と人であふれかえる横断歩道へと姿を消していった。
「・・・なんで鬼側の姿をあんなに早く特定できたんだ?」
梓君の行動に疑問を覚えたボクは、すぐさま手元に置いてあった「白泉荘住民一覧表」を取り、梓君のファイルを開いた。
おおまかな情報の下に、「はみ出し豆知識」という何やらユニークなネーミングのゴシック体が並んでいた。

「ちなみに、久遠梓の視力は生まれつき2,5。幼少の頃はその高い視力を使って、父の久遠和彦が勤務していた陸上自衛隊員の機密の切り札として訓練に使用された経験もアリ。そのためもあり、久遠梓の観察力・洞察力・瞬発力は人並み外れと言われている。」

この情報は初めて見た。何故このような重要な情報を今まで気付かなかったのか、過去の自分を恨んだ。
「自衛隊の機密切り札か・・。これはこのゲーム、梓君の活躍も見逃せないかもしれないねぇ・・・」


〜そのころ。ターゲット(標的)らしき人物を見失った鬼側〜

「あれぇ・・?おかしいですねぇ。確かにここら辺のホームで逃げる側の方がいらっしゃった気がしたのですが・・・」
「律様!律様のおっしゃる逃げる側の方とは、久遠梓様だと推測されます!黒髪のロングと、涼しげな表情から見て間違いないかと!」

「そうですかぁ〜♪それは惜しい事をしてしまいましたねぇ・・
ん?スミマセンが中曽根さん。黒髪のロングを視界にとらえたのは分かりますが、何故「涼しげな表情」までをあの遠距離で確認できたのですか??しかもその答え方・・どう考えても、梓さんになんらかの「気」があるようにしか思えないのですが・・・」

「そうなのか中曽根!!久遠様はあくまで白泉様のご友人!ましてや今は我々と彼女は敵同士!律様への忠誠を誓った一員として、それは折原家律様専属護衛人特殊緊急部隊の名に恥じる行為だ!」

「ち・・違います!高島隊長!私はただ・・久遠様の表情が周りの空気とは違うのに気付いただけでして・・・」
「言い訳は無用!!中曽根!今から至急、ここで腕立て100回だ!
この罰を通して、改めて己の失敗を深く反省しろ!!」

「ええええ!そ、そんな!り・・律様は信じていただけますよね!
私中曽根、そのような下心などはございません!!」
「・・・じゃぁ、私は回数を数える係りをしますねぇー♪
せぇーの イーチ・・・」

「律様ぁぁぁ!!サラッと私の言葉をかわさないでください!」

「ほら!何をうだうだ言っている!!あと99回!」

「何でぇっぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」