コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 白泉荘のひまつぶし(鬼ゴッコ開始しました♪ ( No.71 )
日時: 2011/07/30 21:09
名前: 紗夢羅 (ID: PR3Fak4z)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

1deyz16 オレンジ色の乾杯—前編—

「白泉さんは・・・やっぱり・・・______私の王子様ですっ♪」

折原律は鼻歌まじりに軽い足取りで都内を歩いていた。
彼女の目の前には東京駅のシンボルであるレンガ作りの壁が見えて来ている。
白泉荘のバーベキューパーティーに行くために。
そして王子様・・もとい白泉マルに会うために。
急に自らの務めを放りだし、仕えるべき主人そっちのけで去って行った折原家律様専属護衛人特殊緊急部隊。彼らが居酒屋で一人の隊員の為に飲み明かしているという事を彼女は知る由もない。
薄紫とオレンジの鮮やかなコントラスとが照らし出す東京駅の大きな入口はもうすぐだ。
「マシュマロもあるそうです。少し炙ったトロトロの瞬間は堪りません・・・。」
頬をほんのりバラ色に染めながら折原律は少しだけ足を速めて歩き出した________________


『かんぱーいっ!!!』

カチャンッ・・!!未成年であるボク達のグラスの中は一番酒の色に近いと言う颯君の薦めでオレンジジュースが入っている。(ビールと言いたいのだろう)
今日はいつもに比べると茹だるような暑さはなく、時折吹く夜風が心地よい気候だった。それを証明するかのように、縁側に置いている香取先行の煙が微かに忙しく揺れている。

「おい颯、これどー考えてもビールじゃねーだろ。」
半ばあきれ顔のコウスケ君が問う。
「いいじゃんか別にぃー。」
口を尖らせて駄々をこねている颯君をみてコウスケ君が「はいはい。」となだめた。
「コウスケー、もう食べないのぉー?ほら見て見て!コウスケの好きなホタテもあるんだよぉー♪」ニカッと白い歯をだして笑いながら串刺しにされた大ぶりのホタテをコウスケ君の目の前に差し出すが、コウスケ君はそれをゆっくりとユウリ君に返した。
「いや、いい・・・食欲あんまりないから・・・」
と言うと、ユウリ君はふぅーんと踵をかえすとそのホタテを今度はルナ君と共に肉争奪戦を繰り広げていたナオ君に薦めて行った。

「めずらしいなぁー。ホタテをコウスケが断るなんて。」
「あぁ・・・今日一日俺はアイツにきつい仕打ちをうけたんだ・・・」
その後コウスケ君は金時君から麦茶を受け取りその日の消費量1位者となった。