コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: くだらない為、無題! ( No.2 )
- 日時: 2011/07/05 22:09
- 名前: 仁都 (ID: qcI1n3YR)
第一話 「入部式」 Part1
S高校ーー
ここはごく平凡な公立高校。
そして、ほんの少し前から私の通う学校。
なんの取り柄もない学校だけど、ひとつ特徴を挙げるならば、それは「課外活動」にあるといえるだろう。
この学校では、生徒は必ず部活に参加することを義務づけられている。
学校側は「学業以外に対する、生徒の向上心を育成するた為」なんて言っているけど、私のような部活動に興味のない生徒には、全くもって迷惑な話だ。
そして今私は、その迷惑を身をもって体感しているところなわけで。
「ああ、もうっ! 入りたい部なんてないってば!!」
......なんて叫んだところで、誰も決めてくれやしないんだけど。
朝の騒がしい教室では、私の叫びなんてかわいいもので、誰も気に留めない。
机に置かれた入部届けとにらめっこしている私を唯一気に掛ける人間と言えば......
「まだ決まらないの? 提出期限、今朝までなのに」
あきれた顔で見下ろす友人の沙耶くらい。
「沙耶はもう決まったの?」
「前も言ったじゃない。私は手芸部。ああ、もし決まらないなら一緒に入る? 結構楽しそうだったけど」
「......嫌味? 私そういうの苦手って知ってるでしょ?」
「だって、他に入りたい部がないんじゃあね......」
ああ、なんで私ってこうなんだろう。
なんの取り柄があるわけでもないし、あんまり物事に対して興味がわかないし......
誰か決めてくれないかな、ほんとに。
「先生が来るまであと3分!」
心配性の沙耶のカウントダウンが始まった。
あと3分かぁ......
でも、3分で今後の、少なくとも1年を決めるなんておかしくない?
そうよ、きっと。
だって、続けられない部に入っても意味ないし。
第一ね、生徒を強制的に入部させるなんていうのがおかしいでしょ?
もう高校生なんだから、もう少し自主性をもたせるとかさぁ......
朝の明るい光のあたる窓際で、それとは正反対のことを考える私は、
「あと1分!」
という沙耶の焦った声で我にかえった
あ......いけない、いけない。
話がとんでた......
ていうか、本気できめないとそろそろヤバいかな?
けど、なにに入るべきか......
そう、本気で考え始めたところへ先生がやってきた。
「ああ、どうすんのっ!」っていう顔で、沙耶は席に戻って行く。
私だって、どうするかなんてわかんないよ!
「じゃあ、入部届けを回収するぞー」
とうとうこの時が......
もうこうなったら、白紙でだしちゃえ!
そうだ。そうすれば、後で先生が適当に決めてくれるかも。
『入部届
入部希望部: 部』
結局私は白紙の入部届を出した。
でも、これが私をあんなところへ導くなんて、思ってもいなかったーー......