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Re: くだらない為、無題! ( No.6 )
日時: 2011/07/08 21:30
名前: 仁都 (ID: qcI1n3YR)

第2話 「chiidrenのthreat」 Part1


 放課後——
 野球部やサッカー部の張り上げる、威勢のいい声を聞きながら、私はそこより奥まった場所に足を運んでいた。
 そこには小さな小屋、学校曰く「別館・特別授業用室」がそびえ立っている。
 いや、「そびえ立つ」というのは雰囲気ばかりの話で、実際のところはうす気味の悪い、ただのおんぼろ小屋にすぎないのだけれど。

 そこへ初めて足を踏み入れたのは、もう1週間ほど前の事。
 今でも、夕方に別館をでる時には、すこしぞくりとしてしまう。
 私はそれほど恐がりではないつもりだけど、人気のないあの雰囲気はさすがに堪え難いものがあった。
 そのせいか、人一倍怖がりな素乃くんは、いつも私たちより一足はやく帰っていた。


 話は変わるけれど、前述からも分かるように、いまのところ私は あの変な、名前もない部をやめてはいない。
 たいした理由はないけれど、副部長が断固として私たちをやめさせまいとしている事と、他に行くあてがないことの二つが私を食い止めている。

「部活として成り立たせる為には、最低3人の部員が必要なんだよね! でね、来年私たちがやめちゃった時、君達2人がいないと潰れちゃうじゃない?
今の2年生部員は、そこの冬真だけだからさぁ」

 悪気はないんだろうけど、あの笑顔をむけられると、どんな人間でも断りづらい。
 ……いやいや、断るつもりなんてないんだけどね?

 なんだかんだ言っているうちに、例の別館に着いた。
 何もすることなんてないんだけど、放課後は部活にいくのが規則だし。
 今日は何をしよう……

「こんにちはー」

 なんとなく挨拶なんてしながら扉をあけると、そこには私以外の4人の部員がそろっていた。
 ある人はニコニコとこちらに手を振り、
 ある人は私に少し会釈をかえし、
 ある人は見向きもせずにため息をついて、
 またある人は、ドアが開いた瞬間にびくっとして、不安そうにしていた。

 どれが誰かなんていわないけど、3番目の人、礼儀を学んだ方がいいんじゃないの?

 さてさて、何をしましょうか。
 まだ放課後は沢山のこっているのに、やることがない。
 目的なんてない部だから、当然といえば当然だけど、暇なんだよねー。
 いままでやって来た事をしようにしても、
 この1週間のどの日も、結局そうして過ごして来たわけで。

「暇ぁー……イカでいイカ?」

 退屈でしようがないのか、ぽつりと上条先輩が言った。

「イカん」
「冬真がイカった」

 ……何ですか、この変なリズムは。
 ていうか、冬真がこういうことに乗ってるなんて、すごい意外なんですけど。

「ダジャレしりとりだよー」

 疑問が顔に出ていたのか、はたまた心の中を読んだのか、いずれにしろ、上条先輩が私に説明してくれた。
 ……くだらない、本当に、心のそこからくだらないよこれ、先輩。

「でも、しりをとってないですよね」
「………」

 一同、沈黙。
 え、まさかつっこんじゃいけないトコでしたか?

「つまんねーこと言い出すんじゃねえよ」

 う……
 なんか知らないけど怒られた。
 なんでよっ!?
 イカん、イカん、これじゃあいつに負けたみたいじゃない。
 ……って! 私まではいってどうする!?
 はあ……いかんせん、いくところがないしなぁ。
 ………もうっ

「うーん、それにしても退屈だねぇ。あ、これなんてどう?」
「先輩、それ……」
「うん、この間の失敗をいかして、今度は普通サイズでつくったんだよー!」

 またしてもカラフルなクラッカーでした。
 追記しておくと、サイズは普通のね。

「まあ、景気付けに一発パンっと……それ!」

 パンッ

 自家製らしいけど、今度は正常な、クラッカーらしい音が響いた。
 少し安心——
 を、していたら、それに続くように「きゃあっ!!」という悲鳴。
 ついでに、窓の外から棒のようなものが飛んで来てーー

 ガシャーン——!

 あぁ……

「窓、割れちゃったね……」

 上条先輩が現状を解説してくださいました。

 もう、一体なんなのっ!?