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Re: 悪天! ( No.11 )
日時: 2011/04/03 19:51
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)

 「くろりん意地悪だから絶対横取りするー」
「横取りしねえよこんな中途半端な奴。もっと貶されて喜ぶ奴の方が良い」

 白月さんに『くろりん』と言う愛称で呼ばれている黒鈴さんは、俺を貶して自身の願望を放つ。何気にドS(サディストの意)発言してるぞ。まあどうでもいいんだけどつまり俺は対象外って奴ですか、て言うか中途半端とか何それ酷い。別に否定するつもりははなっから無いけども。間違っては無いと思うから。

 「おにいたん、浮気しない?」
「浮気するってかそもそも付き合ってないけど大丈夫だよ」
「じゃあ信じる!」

最後の「大丈夫だよ」の言葉しか聞いてないらしく、白月さんは黒鈴さんと買い物に行く事を快く了承してくれた。基本的に信じるだけなのかこの人。

 「じゃあ黒鈴さんこれ持って」
「何だこれぇ、袋?」
「世間ではエコバッグと言ってね、これ持ってないと三円が無駄になるんだよ」
「へぇ? 三円ってそんな高価なのな」

黒鈴さんが納得して三円を過大評価する。三円って結構少ないなんて言えない空気だ。ただ俺はされど三円って言いたかったんだが、無知な空の住民には何も言えない。悪魔って空に住んでるのかな。

 「じゃあ行くぞ木原咲ゥ!」
「ん。ああ、うん」

エコバッグをつまんで見ていた黒鈴さんが、張り切って大きい声を出して勢いよく玄関へと走り出した。どんだけ楽しみだお前。俺びっくりしちゃったじゃねえか。
 て言うかフルネームかよ。白月さんの方は『おにいたん』と言う愛嬌ある愛称を作ってくれたのに。いやまあ愛嬌はあるがその愛称を愛せはしないと思うけどな。俺愛って単語出しすぎだと自分でも思いました。

 「この家の中で何もするなよ! いいか?」
「うん。分かった、待ってる」

話聞いてるか不安にもなる返事だがまあ大丈夫なのだろう。俺の言う事一応聞いてくれるみたいだし。

 「じゃあちらし寿司楽しみにしといて」
「うん。……わあなんか新婚夫婦みたい」

彼女は彼女で夢を膨らませている様なのでそっと家を出た。女性二人居るのに新婚ねぇ。ソイツ絶対不倫してるだろ堂々と奥さんの目の前で。
 まあ、そんな事は俺には関係ないけども。