コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 悪天! ( No.12 )
日時: 2011/04/05 22:00
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)

 「なんかまともな景色を見るのは初めてだなあ」

と、住宅街を挙動不審にぐるぐると回って移動する黒鈴さん。誰かに当たっても俺は知らんぞ。
 俺は今隣でぐるぐると回っている赤い目以外はごく普通の女の子に見える悪魔と買い出しに出かけている。理由は白月さんがちらし寿司を食べたいと言う理由からである。
 住宅街がこんなに平和なものかと感心している悪魔さんは家を出てからと言うもの張り切っている……訳ではなく、実に冷静だ。静かな方がこっちも面倒じゃないしいいのだが。むしろ助かる。

 「オレ、閻魔嫌いなんだよ」
「ふむ、同情してもらいたいとか言われても無駄だぞ」
「そんなの要らんわ。ただ、お前の方がマシだ、って話」

唖然。いやぁ照れるなぁとかそんな感情を持ち合わせている場合じゃない。何、初対面でいきなりツンデレのデレの部分を見た様な気がするんだが、何なんだろう今の幻は。

 「黒鈴さん、俺今さっき白月さんに浮気するなって言われてるんだけど」
「じゃねーよ。閻魔の奴男の癖に女装癖だしデマ教えるしでむかつくんだよ。死ねばいいのにあんな奴ついでにお前もどっか逝け」

何だそう言う感じででしたか。そりゃあ俺の方がマシだと思う訳だよ。俺に対しての罵りがあったのは無視しておいて。
一瞬ツンデレのデレの部分を見た様な気がした俺が恥ずかしいぜ。
 しかし女装癖で嘘つきな閻魔様に負ける様な俺じゃないぞ。ああでも閻魔様には負けるかなー。仮にも凄い人だし。俺が仮にもって言っていいのかすらも謎だけどな。
 
 「そういや、何でお前等宅急便で来たんだ?」
「たっきゅうびん? 何だその変な名前は」
「何で人形になってたんだよ」

人間の言葉を知らなくてよく現代に来れるもんだよ。いやまあ特に困る事はないとは思うけどさ。
 とにかく問うて問われて単刀直入に問うと、彼女は「ああ、あれな」と一言間を入れて話をした。

 「あれ、魔法だよ魔法」