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Re: 悪天! ( No.13 )
日時: 2011/04/07 19:43
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: IPYwA4yT)

 「魔法って、また意味不明な」
「悪魔も天使も居るんなら魔法もアリだよな、って事で納得しとけ」
「オーケー何か納得した自分が居る」

黒鈴さんがすたすたと歩く最中、その会話は何分か続いた。魔法は凄いんだぜ! とか魔法が使えるのは凄い奴だけなんだぜ! とか。とにかく魔法は力を消耗しやすいから神様とかしか使えないってこった。
 暫く続いていた魔法の話だが、その話を遮ったのは俺だ。遮るつもりは無かったんだ。だがそれより重大な事に気付いてしまったんだよ俺は。住宅街を出る前に。家が随分と小さく見える頃に。

 「お前、まともな服は無いのか……?」
「は? これまともじゃん。ちゃんと身に着けてるし」

黒鈴さんが黒のスカーフをちょいとつまみ、自分の目で見てから俺に言う。その服は一般市民に受け入れられるか俺は不安なんだ。何だって、初期装備のままだなんて。羽が無くなったとは言えなんか変人の様な気がする。

 「何かその服は目立ちすぎる。とにかく目立つから服かえよう」
「はぁ? ここまで来たのに? ふざけんなよ、行くぞ」

と、反論して俺の逆方向へ進もうとする黒鈴さん。俺は逆に進むぞ、俺は俺の道を歩むんだ! なんて行っても何も変わらない。ただ俺がイタい奴だと自分で納得しただけだった。
 と、思いきや。後ろを振り向いてみると黒鈴さんが立ち止まっているではないか。何事かと思い後ろに向き直って質問。

 「何でお前そこに留まってんだ」
「その、どこ行けばすーぱーとやらに行けるんだ?」

と言って、赤面。コイツ単純だな。自分がここらに初めて来たの分からない癖に偉そうにしてたのか。
 うん? これは形勢逆転のチャンスではないか! と心の中で叫んで、目の前で恥ずかしそうにしている悪魔に話す。て言うかコイツいつもこんなんの方が可愛いのにな。

 「服取り替えないと教えねーよ」
「うぐ、人の弱みに付け込むとか卑怯だなお前」
「卑怯上等、人生そんなに甘くないんだ」