コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪天! ( No.3 )
- 日時: 2011/03/30 15:52
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: 6sz9.CTE)
「変態って……」
「そ。こんな可愛いけどコイツ変態なんだよ」
いや、そんなクールに答えられてもですね。反応が困るってもんですよ黒鈴さん。まあさっきから馴れ馴れしくおじいちゃんとか呼んでくるし……会って早々抱きつかれるし。
「おにいたーん、とか愛嬌振り撒いて男によく寄ってくんの。本人によると好みとかもあるらしいけど?」
おにいたんだったか、そうだよな。俺まだ十七だし。老人になるまで後四十三年あるし。て言うか老人って六十からだよな?
「おにいたんは全部好みだよー」
と先程まで拗ねていた白月さんは居ないらしく、なんかどっからか持ち出した熊のぬいぐるみで遊びながら、にへっと顔を傾けて笑う。うーん、可愛いだけど好きになれる気がしないなー。
「おにいたんの頬にすりすりー」
何か寒気が下から上へと。チキンな肌がぞくぞくと刺激を。確かにこれは変態レベルだ。気持ち悪い。
そしてなぜか黒鈴さんが冷たい様な目でこっちを見ている。待て、これは俺が求めてやった行為じゃないぞ。その証拠に今鳥肌だって立ちまくりなんだ!
「まあ抵抗しないって事はアンタもなんだろうけど、とにかくソイツはかなりの変態って事が分かっただろ?」
「その誤解を解かせてくれ」
「誤解って言うか真実だから良いじゃんよ」
「真実違うぅぅぅ!」
俺は白月さんにすりすりされながら、あらぬ誤解をかぶせられ、更には黒鈴さんに笑顔を向けられると言う哀れな状態に陥った。何で初対面で数時間しか経ってないのにあらぬ誤解を受けなければならないんだ。
「うん、分かったから。とりあえず腹減った」
「お前ら失礼な奴だな」
「その言葉もう聞き慣れたから。さっさと客人もてなしな」
話をスルーされご飯作れって。客人ならもっと遠慮するべきだろ。白月さんをどかして俺は仕方なく台所に向かう。丁度俺も腹減ったし。俺の為にご飯を作るんだ、だから黒鈴さんの言いなりなんて事はない!
「何つくんのー?」
さっきどかした筈の白月さんが、無邪気な笑顔で訊いてきた。