コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ▼. ぶるーすかい / 短編集 【お題募集】 ( No.31 )
- 日時: 2011/10/23 14:32
- 名前: 花瑚 (ID: HTIJ/iaZ)
【桜色の頬】
「唯(ゆい)って、好きな人いないの?」
思わず、僕はそう聞いてしまったんだ。
本当は知りたくない僕もいる。
でも気になって気になって仕方がないんだ。
唯が僕と一緒にこんなところにいるのだって、ほんと奇跡に近いんだから。
*—*—*—
『蒼(そう)〜?お花見行こうよ?』
そう智樹(ともき)に言われたあの日。
ほんとはだるかったんだけど。
『唯も行くよね?』
唯は、照れたように顔を伏せて
『うん。』
コクっとうなずいたね。
お花見なんて近くの公園だし、もともと僕は花粉症で、そんなに桜は好きじゃないんだ。でも、
唯と一緒なら行ってもいいかな。
*—*—*—
「唯って好きな人いないの?」
僕が聞いたその時、唯は頬をピンクにして黙っていたね。
ねぇ?
それって、どういうこと?
「好きな人、いるんだ?」
僕が聞くと、
「……うん。」
唯はそう言ったんだ。
あれ。
聞きたかったのに、聞きたくなかった。
気になって仕方なかったのに、唯の口からそう言われるとなんだか傷ついてる僕がいる。
誰?
唯は、誰が好きなの?
そう聞きたかったけど、僕は憶病で。
そんなこと口になんてできなかった。
僕の隣に座っていて、ちょうど吹いた風に舞う花びらを見上げて、目を細める唯は、とても綺麗で。
桜色の頬がとても綺麗で。
『奪ってしまいたい』
僕の独占欲はそんな訴えをし始めて。
でも、現実の僕はそんなことできなくて。
だけど代わりに、
「唯は誰が好きなの?」
聞きたかったことを、思いきって口にした。
「……。」
答えられないのか。
答えてくれないのか。
「僕だったらいいのに。」
思わず、思っていたことが口に出て。
自分でびっくりした。
あぁ何言ってるんだ、僕は。
思いを告げる気なんてなかったのに。
「………そうだよ。」
唯が口を開いて。
「え?」
僕はすっとんきょうな声を上げた。
だって…。
「………私も、……き…だよ。」
か細い声で、唯がそう言うから。
僕は都合のいい夢でも見ているんじゃないかと思って、目をしばしばさせた。
「…ほんと?」
僕が聞くと、唯は
「……ほんとだよ。」
そう言って。
唯の頬がまた桜色に染まっていくのが僕にも分かった。
唯の手が僕の手に触れて。
僕の顔も、桜色に染まっているのかな?
