コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

*__傷跡 ( No.39 )
日時: 2011/04/19 19:32
名前: 祐希 (ID: xJuDA4mk)


 このドアを開ければ、貴女がいる。
 貴女の顔を見たい、ただそのために俺はここにいる。


 ドアを、開けた。
 そろりと足を踏み入れる。


 瞬時に、どこから鳴っているんだというほどの、大音量のBGMが脳内を巡った。
 このBGMがどうとかの前に、改めて防音施設の凄さを知った。
 と、同時にBGM自体に何かしらの違和感を覚えた。

 ——これは、いったい何なんだ?

 よくよく聞いてみれば、これはBGMなんていう可愛らしいものではない。
 調子外れなベース、リズム感のないドラム、正確さのないキーボード、音を奏でないギター。
 そりゃあもう、酷いとしか言いようのない。

 そして、聞こえるはずのない無機質な高い機械音。鳴りやまない不協和音。
 ——気持ち悪い。
 〝音楽〟なんてもんじゃねえ。
 汚い〝音〟に多少の目眩を覚えながら、俺は部屋の隅にあるCDプレーヤーに近付いた。
 停止ボタンを押して、〝音〟が止まる。頭がくらりと揺れる。

 プレーヤーから、恐る恐るCDを抜き出した。
 七色に光るはずの、それは……鈍色で——白い傷跡が無数にあった。
 きっと、落とすなり打ちつけるなり踏みつぶすなり、何かしたのだろう。

 貴女は、部屋の中央にあるソファに横たわり、涙を流しながら眠っていた。
 ——貴女は、どれだけ傷ついたのだろうか。


 このCDは、彼女の心を映しているのだろうか。
 それとも——貴女に溺れた、俺の心を映しているのだろうか。
 どちらにしても、傷だらけだ。

 ——誰か。

 誰か、こんな傷だらけの俺たちを、助けて下さい。



Ψ


たまにこんな病んでるの書きだします←
情緒不安定ですね!(