コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ▼. ぶるーすかい / 短編集 【お題募集】 ( No.49 )
- 日時: 2011/10/03 17:31
- 名前: 花瑚 (ID: fxhCNxuy)
【3】
どんどんと、周りが緑になってきた時だった。
相変わらず、ギャーギャー口喧嘩なんてしてたっけ。
突然バイクが急ブレーキをかけて、体が左に引っ張られた。
そのままあたしは宙を舞って、下に落ちていった。
その時、力強い何かに引き寄せられた気がしたんだ。
気付くとあたしは、体に痛みを抱えたまま倒れていた。
○
ぼんやりとした頭で、藤谷のことを探した。
藤谷はすぐ近くにいて、あたしと同じように仰向けに倒れていた。
近くにはバックやヘルメットが転がっている。
痛む足を引きずりながら歩み寄って、
———大丈夫?
なんて声をかけた。
最悪のイメージなんてしてなかった。
あいつはまた普通に笑って、馬鹿でかい声で
「ごめん、操作ミスったわ」
なんて言うに決まってる。
そうに決まってる。
置いたあたしの手に、何かぬるっとしたものが触れた。
鉄の臭いのする藤谷の血。
○
何度揺さぶっても、藤谷は目覚めなかった。
ただ、青白い顔で眠ってた。
———だって、眠ってるようにしか見えなかったから。
病院に連絡したいけど、携帯が見つからない。
辺りはもう真っ暗で、空には満天の星空が広がっていた。
でも涙でにじんだ視界じゃ、星はうまく見えなくて。
数十メートル先に頼りなくぶら下がったガードレールがぼんやり見えた。
———何で、あたしなんかかばったの?
何で、あたしなんか乗せたの?
……行かなきゃよかった。
いっそ出会わなければよかったのかな。
そしたら、こんなことにはならなくて、
藤谷は普通に生活して、これからも笑えてたはずなのに。
———罰が当たったんだ。
素直じゃないから。
あたしが臆病だから。
いっそ、告白して振られてしまえばよかったんだ。
そしたらこんな中途半端に仲なんて良くなくて、藤谷のバイクになんか乗らなくて済んだのに。
———どうして、あたしじゃないんですか。
———どうして、藤谷なんですか。
