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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: =桜陽炎と空蜻蛉= ( No.1 )
- 日時: 2011/04/04 13:38
- 名前: 生死騎士 (ID: 6U1pqX0Z)
──『憐の目は綺麗だよね。』
呪いの桜の木の下で、あの子はそう言ってくれた。
右は桜色、左は空色の俺の眼を見て。
***
俺の眼は生まれつき変わった色で、・・・いや、まず生まれ方からして異常だった。
俺が生まれたのは、桜の木の下。
と言うよりかは、赤ん坊の状態の俺が桜の木の下に捨てられていた、というのが正しい。
捨てられていた俺を拾ってくれたのは、その木の近くに住んでいたお爺さんだった。
お爺さんは孫の女の子と二人で暮らしていて、俺はそこで育った。
二人は優しくて、俺のこの眼を見ても逃げたりなんかしなくて、むしろ『綺麗』だと言ってくれたのだ。
でも学校に行くようになって、眼のことが周りにばれて。
そこからの人生は最悪だった。
いじめは毎日続いて、そのうちあの桜の木が『呪いの桜の木』と呼ばれるようになって。
でもあの子とお爺さんだけは、変わらずで俺に接してくれた。
二人だけが俺に優しく接してくれたんだ。
そんな時だった、
一緒に育ったあの子が、
行方不明になったのは。
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