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- Re: =桜陽炎と空蜻蛉= オリキャラ、イメソン募集! ( No.36 )
- 日時: 2011/05/12 19:56
- 名前: 生死騎士 (ID: mk2uRK9M)
俺達は一旦大通りに戻った。
「あの子って・・・憐の幼馴染の子?」
俺は黙って頷く。
「でもその子、行方不明なんでしょ?何でこんなところに・・・」
そうだ。
あの子は「俺達の住む」世界で行方をくらませたのだ。
幻覚かもしれないし、もしかしたら本人かもしれない。
今の俺にはそれを確かめる術はなかった。
「まぁ、とにかくここが何処なのか調べないとな。」
八雲が立ち上がって言う。
彼の言う通り、この世界のことを知らない限りでは何も出来ない。
「でも、どうやって・・・」
そう、棗が言いかけた時だった。
「いらっしゃたぞ、姫様だ!!!」
隣にいた男が叫ぶと同時に、辺りが急に騒がしくなる。
皆が指差す方向を見てみると、大きな馬車が進んで来ているところだった。
まるで「シンデレラ」や、ヨーロッパの皇子の結婚式に登場するような、豪華な馬車。
その上におしとやかに座る、皇女。
「・・・綺麗・・・。」
ミチルが呟く。
多分、皆同じ気持ちだろう。
薄い桜色のドレスに身を包んだ皇女は、芸術作品か何かのような美しさだった。
その美しさに、誰もが息を呑む。
馬車が目の前に差しかかる。
皇女が一瞬こちらを見て・・・
その表情が静止した。
明らかに、俺達四人の中の誰かを見ている。
「?」
数秒間こちらをみつめた後、彼女は従者らしき人物に声をかける。
従者は皇女の話に納得できない様子だったが、皇女が何か言うとおれたのか、馬車のドアを開けた。
人々のざわめきが大きくなる中、皇女はこちらに向かって歩いてくる。
俺達に何か用だろうか?
・・・まさか、異世界から来たのがばれたとか!?
「ちょっと、いいかしら?」
鈴のような声が響く。
・・・俺?
皇女は真っ直ぐ、俺を見ていた。
正確に言うと、俺の「眼」を。
我慢できずに眼を逸らす。
やはり、この眼はこの世界でも珍しいのだろうか?
「貴方、名前は?」
「・・・憐、といいます・・・」
とりあえず、敬語は使わないと首飛ばされそうだから、使っとく。
俺がそっぽ向いて名乗る間も、皇女は俺をじっとみつめている。
そして、一言。
「貴方、王宮までいらっしゃい。」
・・・は?