コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ダイスキっていいたいよ ( No.11 )
日時: 2011/05/05 20:01
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: iEydDqYB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第6話

それから自己紹介は続いた。
莉環は熱心に聞き早く人の名前を覚えようと努力する。
中学の時に名前を覚えられなくて先輩と同級生を間違え、
先輩にタメ口を聞いたことがあるからだ。
——もうあんな失敗はしない!
そう思っていると次は陸の自己紹介だった。
「新川陸です。大西中出身で部活は陸上部でした。高校でも続けようと思ってます。みんな気楽に話してください。仲良くしてね。よろしく!」
女子たちは大げさに拍手する。
莉環は思わず陸を見つめる。
——新川君って確かにいいとこばっかだよね・・・
そう思っていると陸と目が合ってしまった。
陸は目を大きくし莉環を見つめる。
莉環は恥ずかしくなり目を反らしてしまった。
——やだ!ここで目反らしたら好きみたいじゃん!
そう思うと何も見れなくなった。
自分の机をじっと見つめ自己紹介を聞いた。

「高科大吾です。中学は大西です。部活は陸上してました。よろしくお願いします。」
ふと我に返ると大吾が自己紹介をしている最中だった。
「高科君って知的でいいよね!」
近くの女子がそう言っているのが聞こえた。
確かに大吾は眼鏡を外すとかっこよさげだ。
いやつけていてもかっこいい。
「陸君派?高科君派?」
周りの女子たちは勝手に盛り上がっている。
莉環は会話に入らずぼうっとしていた。
「光井さん〜次はあなたよ!」
名前を呼ばれ振り向くとそこには牧野が立っていた。
「なにたそがれてるの?はい!立つ!」
「はい!」
思わず声が裏返ってしまった。
教室中から笑いが起こる。
「えっと・・光井莉環です・・えっとえっと・・吹石中出身です。部活はテニス部でした。よろしくお願いします。」
心の準備が出来ていなかったためグダグダになってしまった。
「なあ、陸なんで光井なわけ?友達の小野ならわかるけどさ〜」
小声で言っているようだが莉環にまる聞こえだ。
「なんでっても・・好きなもんは好きなの!」
陸がそう答えたのも莉環の耳に届いた。
莉環は思わず陸を見つめた。
陸は何も気づいていない様子で自己紹介の続きを聞いていた。