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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.14 )
日時: 2011/05/08 21:58
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: iEydDqYB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第8話

第二章 嫉妬

——なんで新川君はあんなに莉環にこだわるんだろう・・・
杏那は一人下駄箱で考えていた。
莉環は中学の時から決してモテる方ではなかった。
そんな莉環に陸がなぜあんなに惚れているのか杏那には不思議でしょうがない。
——莉環には何か他の人にはない魅力があるのかな・・・
そう考えている時だった。
「杏〜!待たせてごめん。」
莉環が手を振りながら走ってくる。
杏那は莉環をまじまじと見る。
左サイドで一つに束ねた茶色かがった髪。
平均くらいの身長。
杏那は立ち上がると莉環の方へ歩み寄った。
「新川君何て?」
莉環は先ほどの出来事をすべて話した。
「へぇ〜莉環ったらモテモテ!」
杏那が冷やかす。
「モテモテって!杏のほうがモテモテでしょ。それに友達になっただけだし。さあ帰ろう。」
莉環が靴を履いて歩き出した。
杏那はぼうっと突っ立ったままだ。
「杏!行こうよ!」
少し先から莉環が呼ぶ。
「いいなあ・・・莉環は・・・」
杏那はすぐに笑顔になると
「あ、ごめん!今行く!」
と言いながら莉環の元へ駆け寄った。

翌日。
莉環と杏那は一緒に登校していた。
莉環はいつもどおり笑顔で話す。
杏那は浮かない顔をしていた。
それに気づいた莉環は杏那に尋ねる。
「杏!どうしたの?元気ないよ。」
その時杏那は莉環に返事せず後ろを振り返った。
そこには大吾がいた。
「あ、高科君!おはよう。」
莉環が元気よく挨拶した。
「おはよう。」
大吾はそっけなく言うとすたすたと二人を抜かして行ってしまった。
「相変わらず高科君って謎だよね。」
そう言った杏那の顔はどういうわけかいきいきしていた。
莉環は不思議に思った。
——あれ?さっき杏浮かない顔してたのに・・・
だが口には出さない。
「確かに!」
そう答えるとまた会話を再開した。