コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ダイスキっていいたいよ ( No.17 )
- 日時: 2011/05/16 22:38
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: iEydDqYB)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
第10話
チャイムが鳴った。
——ふう・・・やっと終わった!
莉環は手で口を覆い大欠伸をした。
高校になってはじめての7時間授業は
莉環が想像していたよりも大変だった。
——あとは委員決めだけか・・・
莉環はホームルームの前にトイレに行こうと思った。
杏那を誘うおうと杏那の席を見る。
杏那は席に着いて数人の女子に囲まれなにやら話していた。
莉環はどうしようか迷ったが
あまりにもトイレに行きたかったため千里を呼んだ。
「ちさ!トイレ行かない?」
「いいよ〜」
二人はトイレへ行くため教室を出た。
「やっといなくなった。」
葵はにやりと笑う。
「あの・・・何か用があるの?」
杏那は怪訝そうに尋ねた。
チャイムが鳴ったと同時に杏那の周りを囲んだ葵たち3人。
「私小池葵。よろしくね。」
葵は笑顔で杏那に話しかけてきた。
そこまでなら何も不可解なことはないのだが
話し終えても葵は一向に杏那の側を離れようとしなかった。
「杏那ちゃんにお願いがあるんだけど・・・・」
「何?」
葵は他の二人を見ると3人は肯きあった。
大きく深呼吸すると杏那の方を見つめ話し出す。
「杏那ちゃんの友達の光井さんを体育委員に推薦して欲しいの。」
杏那にはさっぱり言っている意味がわからない。
「どうして?何で莉環?それに葵ちゃんが推薦すればいいんじゃないの・・?」
待ってましたとばかりに葵の隣にいた紗良(さら)が言う。
「光井さんって陸君に好かれてるでしょう?それなのに陸君に対してひどい態度ばっかりとってるし。見ていて腹立つんだよね。」
その言葉に杏那はむかっとした。
「そんなのやきもちじゃない。嫉妬!それで推薦するなんてただの嫌がらせとしか思えない。私はしない。」
そう言い杏那は席を立とうとした。
すかさず葵が杏那の肩を引き止める。
「あなたは光井さんといて嫉妬したことないの?本当に心から笑ってる?一度もうらやましいと思ったことはないの?」
杏那は凍りついた。
つい先日下駄箱で莉環を待っていたときのことが蘇る。
あの時杏那は確かにどうして莉環がと思った。
だがあれは嫉妬ではないと必死に自分を説得する。
「本当に今のままでいいの?これから先好きな人をとられちゃうってこともあるかもよ?」
葵は杏那の耳元で小さく呟いた。
「別に・・・私は・・・」
杏那は反論した。
「ふうん・・・まあ別にどっちでもいいけど。杏那ちゃんに任せる。」
そう言い葵たち3人はその場を去った。
杏那はしばらく動けなかった。