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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.19 )
日時: 2011/06/19 23:19
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: zXyKVICa)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第11話

「あとは体育委員だけなんだけど・・・」
牧野が困ったように言う。
20分にわたる委員決め。
他の委員会は決まったのに体育委員だけ男女とも決まらない。
「体育委員ってさ体育祭とか何かと忙しいんでしょ?」
陸がだるそうに尋ねた。
「そんなことないわよ。確かに大変かもしれないけどその分やりがいがあるわ。」
牧野は必死に説得する。
しかし誰も立候補はいない。
「じゃあ推薦したい人いますか?」
しぶしぶと言った感じで牧野が言った。
莉環は他人事のようにひじを机につけだるそうに聞いていた。
——早く決まらないかな・・・早く帰りたい!
そのときだった。
杏那が恐る恐る手を上げた。
「はい、小野さん。」
「私は光井さんを推薦します。」
莉環は思わず飛び上がる。
「へ!?なんであたし!?」
教室中から湧き上がる拍手。
笑顔で肯く牧野。
莉環は断れない状況に陥った。
「じゃあ女子の体育委員は光井さんに決定です。」
牧野が嬉しそうに宣言した。
「あの、体育委員の男子、立候補して良いですか?」
そう静かに手を上げたのは大吾だった。

放課後。
帰り支度をしている莉環の元へ真っ先に駆け寄ってきたのは陸だった。
「莉環が体育委員になるんなら俺も立候補すればよかった!」
「あたしだってやりたくてなったんじゃないし・・・。」
「まあなんかあったらいつでも俺を頼ってくれよ。」
陸は笑顔で莉環に手を振りながら走って教室を出て行った。
「ふん!絶対頼らないんだから!」
莉環は立ち上がると杏那の元へ歩み寄った。
「杏!帰ろう!話したいこともいっぱいあるし。」
莉環は先ほどなぜ杏那が体育委員に自分を推薦したのかが気になっていた。
「ごめん。今日は帰れない。じゃあ。」
杏那はそっけなく言うとさっさと教室を出て行ってしまった。
——あれ?あたしなんかしたっけ・・・?
一人取り残された莉環は杏那のことを考えていた。
「明日杏に聞くしかない!あたしも帰ろう。」
そう思い教室を出ようとした時だった。
「あの、光井さん・・話があるんだけどいい?」
「え?」
莉環が振り返った先には大吾がいた。