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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ダイスキっていいたいよ ( No.26 )
- 日時: 2011/07/03 21:23
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: zXyKVICa)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
第16話
時間が経ちとうとう日が暮れた。
未だ莉環は体育倉庫に閉じ込められていた。
しばらく何もする気が起こらなかった。
——本当に杏が・・・?
まだ杏那がやったのだと認めれずにいたのだ。
永い間泣き明かした。
もう涙は出ないと思った。
「どうしよ・・・。」
季節は夏。
体育倉庫の中は暑い。
ここで一夜を明かせる自身はなかった。
莉環はどうにか脱出しようと試みた。
だが出口は鍵をかけられたドアと
5mの高さにある小さな窓のみだった。
莉環は一瞬で諦めた。
「もういいや。ここで死んでも悔いはない・・・」
そう思ったときだった。
「莉環!!」
勢いよく体育倉庫の扉が開いた。
そこに立っていたのは陸だった。
「り・・・く・・・?」
莉環は安心感から再び泣いた。
相手が陸だということも忘れて思わず抱きつく。
陸は少し驚いて照れながらも莉環の背中を摩ってあげた。
「もう大丈夫だよ。」
しばらくして莉環は泣き止んだ。
陸は優しい笑みを浮かべて言った。
「小野がさ『莉環が体育倉庫に閉じ込められた』って教えてくれたんだ。俺、体育のあとから莉環のこと見てなかったから心配で。」
「杏が・・・?」
莉環は驚いた。
「うん。きっと小野、まだ教室で待ってるよ。けんかしたんだろ?仲直りして来いよ。」
陸はそう言うとまた微笑んだ。
「うん。陸、助けてくれてありがとう!」
莉環は笑顔で陸に手を振ると教室目掛けて走ってった。
「頑張れ〜」
陸は莉環の背中にエールを送った。
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