コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ダイスキっていいたいよ ( No.34 )
日時: 2011/07/30 00:24
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LI/icqd3)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第20話

「莉環!悪い。今日から当分一緒に帰れそうにないや。」
ある日の放課後。
いつもどおり逞と一緒に帰ろうとしていた莉環は
逞にこう告げられた。
「どうして?」
「今日から委員会の仕事があるんだ。俺、図書委員だから。」
莉環は少し残念そうな顔をしながらも納得した。
「そっかあ。じゃあ頑張ってね。」
「おう。ごめんね。」

莉環は一人で帰りながらふと先ほどの出来事を不思議に思った。
——逞はいつも『待っててほしい』って言うのに今日は言わなかったな・・・
莉環に気を使っているのか莉環は少し悲しく思った。
——まあ少しの間だし我慢しよう!
莉環は自分にそう言い聞かせた。
じゃないと悲しすぎて辛かったからだ。

しかしその日以来、莉環と逞の時間は減っていった。
朝もどういうわけか逞が早く行くようになり
放課後はもちろん、休日のデートさえできなくなった。
さすがに莉環は耐え切れなかった。
「どうして?逞はあたしのこと嫌いになったの・・?」
いつのまにか放課後は杏那とくるみと帰るのが日常になっていた。
心が折れかけている莉環を親友の二人が必死で励ます。
「そんなのわかんないよ。本人に聞いてみないと!」
「大丈夫だよ。」
二人がなんといってもだめだった。

莉環と逞の心がすれ違ってから1ヶ月がたった。
莉環はついに決意した。
「あたし逞のところ言ってくる。」
その場にいた杏那に言うと莉環は逞を探し始めた。
逞はすぐに見つかった。
渡り廊下にいたのだ。
「たく・・・・・」
莉環の目には楽しそうに話す逞とくるみが映った。
「え・・・・どういうこと・・・?」
呆然と立ち尽くす莉環の前にゆっくりと逞が歩み出た。
「ごめん。俺、莉環に告白される前からずっとくるみのことが好きだったんだ。でもくるみと莉環が仲良いって知ってて断れなくて・・・。
 これからくるみと付き合うことになった。だから別れて?」
莉環がくるみのほうを見るとくるみは目を反らし逞にすがりついた。
「逞が謝ることないよ。私たち両思いだったんだから。むしろ好きでもないのに付き合ってあげたんだから逞に感謝してほしいよね。」
くるみは莉環を睨みつけた。
「そん・・・な・・・・」
莉環は力なくその場にしゃがみこんだ。
「ということだから。私達の邪魔しないでね。行こう、逞。」
「うん」
教室に戻った莉環は杏那を見るなり泣き崩れた。
「どうだった・・・?」
杏那が恐る恐る聞く。
「杏・・・あたしこんなに辛いならもう二度と人を好きにならない。恋なんてしたくない・・・」
この日から莉環と逞の幼馴染という関係は崩れ、
くるみも莉環と杏那の元を去ってった。