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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.36 )
日時: 2011/08/07 19:18
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LI/icqd3)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode

第21話

しばらくの間沈黙が続いた。
3人は下を向いたまま何も言わない。
そんな沈黙を破ったのは逞だった。
「莉環・・・・今さらだけど本当にごめん。俺最低だよな。
 莉環のこと幼馴染として大事に思ってたのに傷つけて。
 許してもらえないかもしれないけど本当にごめん。」
逞は莉環の目をじっと見つめ頭を下げた。
それにつられるようにくるみも謝る。
「莉環本当にごめんなさい。私莉環と逞が付き合う前から逞のこと好きで嫉妬してた。
 うらやましかった。だから莉環にあんなひどいこと言って・・・。
 もし莉環がまだ逞のこと好きなら私身を引くから。」
黙って抹茶オレを飲んでいた莉環はくるみの最後の一言に反応した。
「身を引く・・・?くるみは逞のこと大好きなんじゃないの?そんなこと本当に出来るの?」
くるみは少し戸惑った。
「それは大好きだけど・・・・でも昔私は莉環にひどいことしたからそれくらいしないと償えないし・・・。」
逞も黙って肯く。
「あたしは・・・・二人にそんなことしてほしいわけじゃない。ただあの時あたしがどんなに辛かったか・・・わかる?
 別に逞のことはもう好きじゃないしくるみとそのまま付き合えばいいと思う。」
それを聞いたくるみが泣き出した。
「莉・・・環・・ほんとごめん・・・。」
その背中を莉環は黙って摩った。

3人は支払いをすませカフェを出た。
実はこのカフェは莉環と逞が初めてデートした時の待ち合わせ場所で
くるみと逞がよくくる店でもあった。
あの後仲直りした3人は昔の思い出話に花を咲かせた。
言いたいことはすべて言い合い、最後まで笑顔を絶やさなかった。
くるみと逞は同じ学校で莉環たちの学校のすぐ近くのところに通っていた。
「今日はありがとう。また語ろうね。」
仲直りできたことがそうとう嬉しいようでくるみは満面の笑みで莉環に言った。
「うん。逞とは家隣だし。」
「あ、確かに。じゃあ俺んちでみんなで集まろうか?」
「杏も呼んで」
そうして3人は別れた。
莉環も引きずっていた過去をすっきりできてとても穏やかな気持ちになっていた。
——明日すぐに杏に報告しなきゃ!杏どんな反応するかなぁ・・・
家に向かって駆け出した。