コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ダイスキっていいたいよ ( No.4 )
- 日時: 2011/04/18 19:25
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: iEydDqYB)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第1話
第一章 運命
女の子は誰だって
永遠って言葉を信じてる。
いつかあの人と両思いになれるって・・・
そして永遠に一緒に居られるって・・・
だけど私は信じていない。
永遠なんて信じない。
永遠なんてこの世にあるわけないから。
あの人に会うまではそう思っていた。
窓から清清しい朝の日差しが差し込んでくる。
少し開いている窓から風が吹きカーテンを躍らせている。
その窓から微かに誰かを呼んでいる声が聞こえた。
「莉環!莉環ってば!」
「ん・・・・」
窓の横で眠っていた光井莉環(みついりわ)は
自分の名前が呼ばれているのに気がついた。
「なんなの・・?」
重たいまぶたをこすりながら窓を覗く。
窓の下に立っていたのは親友の小野杏那(おのあんな)だった。
「杏・・?」
莉環はまだ寝ぼけている。
「もう!莉環!今何時か分かってるの?8時!遅刻するよ!」
杏那はずっと下から莉環を呼んでいたようだった。
「うそ!?」
やっと状況が飲み込めた莉環は猛スピードで部屋を飛び出し
階段を駆け下りる。
「あ、莉環。おはよう。随分ギリギリだな。」
リビングから新聞を読んでいた父が声をかけた。
「もう!起こしてよ!今日から高校に入学するっていうのに!」
莉環は顔を洗い歯磨きをすると真新しい制服に腕を通した。
「きゃ!かわいい!この高校に受かってよかった!」
莉環は思わず全身鏡の前でポーズをとる。
新しい高校の制服は莉環がずっと憧れていたセーラーだった。
「莉環!?早く!」
外から杏那の声が聞こえる。
莉環は我に返った。
「行って来ます!」
元気な声と共に家を出た。
「もう莉環ってば中学校の時と変わらないんだから!」
杏那が笑いながら怒る。
「ごめん!明日からはちゃんと早起きするから!」
莉環と杏那は同じ中学校だった。
3年間仲のよかった二人は同じ高校を受験し、
見事一緒に入学することになったのだ。
杏那は文句なしの美人だ。
背も高く、顔も整っている。
誰にでも優しいし成績も上位だ。
そのため中学校の時はモテモテだったのだ。
莉環は身長も顔立ちも成績も平均くらいだ。
自分が杏那の親友でいられることがなによりも自慢だった。
「楽しみだね!高校!」
杏那は莉環に微笑む。
「うん!一緒のクラスになろうね!」
莉環も新たな生活にドキドキだった。
——きっといい高校生活になる!
このとき莉環の心は希望で満ち溢れていた。