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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.46 )
日時: 2011/08/21 14:01
名前: 柚莉愛 (ID: LI/icqd3)

第26話

食事が終わった。
食器をさげると渉はそそくさと自分の部屋へ行ってしまう。
莉環は少しテレビを見ることにした。
テレビの中では最近のアイドルがクイズに答えている。
珍回答をしても周りの人がかわいいと言う。
「いいな〜かわいい人は」
「莉環だってかわいいじゃないか」
いつの間にか父もテレビを見ていた。
莉環は驚いた。
「何言ってるの?あたしなんて普通。とくにとりえもないし。」
「そんなことないよ。莉環はお母さんに似てかわいいぞ。莉環はいつも明るいことがとりえだ。」
父が満面の笑みで莉環を見つめる。
莉環は恥ずかしくなって目を反らす。
「そんなこと言ってくれるのお父さんだけだよ。」
莉環は2階に上がろうと立ち上がった。
「わからんぞ。クラスに莉環のこと好きな人はいるだろうな」
そう言われなぜか陸の顔が思い浮かぶ。
「そうだといいね」
莉環は早足で2階へ行った。

自分の部屋へ入った莉環は宿題をした。
思ったよりも早く終わった。
「今8時か・・・」
莉環はお風呂に入ろうと思った。
——あ、その前に渉に聞きたいことがあるんだった!
莉環は1階へ向かっていた足をの渉の部屋へ変えた。
ドアの前に立ちきちんとノックする。
「はい」
「莉環だけど入っていい?」
少しの間沈黙があった。
「いいけど」
莉環はドアを開けた。

渉の部屋に入ったのは数ヶ月ぶりだ。
以前はかなり汚かったのだが今はきれいに片付いている。
——これは彼女いる確立高くなったな
莉環は必死で笑いをこらえた。
「何の用?俺、勉強してるんだけど・・」
受験生ということもあって渉はいつも夜遅くまで勉強していた。
「じゃあ単刀直入に聞くけど、渉って彼女いる?」
聴いた瞬間、渉の顔が真っ赤になる。
「やっぱりいるんだ・・・」
莉環は思わずにやけた。
「いるけど・・・」
否定しても無駄だとわかったのだろう。
渉は素直に認めた。
「その子とはどういう関係?」
「塾が同じで告白された。」
「渉は好きだったの?」
「いや。違うけど付き合ってみたらそれまで知らなかったこととかも知れて好きになっていったよ」
莉環は渉のほうが大人だと思った。
「そんなもんなのかね〜ありがと。その子、紹介してね。」
莉環はそう言い残し部屋をでた。
「紹介しねえし!」
渉は大きな声で叫んだ。