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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.6 )
日時: 2011/04/21 22:01
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: iEydDqYB)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi

第2話

二人は正門の前に着いた。
門の両サイドには満開に咲いた桜の木が
二人を迎えているようだ。
「さすが高校!規模が違うね!」
莉環は興奮している。
「うん!大きいなぁ・・・」
いつも冷静な杏那も浮かれていた。
二人は歩き始めた。
少し歩くと新入生のクラスが張り出されていた。
莉環は思わず走り出す。
——あたしと杏はっと・・・・
「杏!早く!同じクラスだよ!3組!」
莉環は嬉しさのあまり飛び跳ねている。
「本当!?やったね!」
莉環に追いついた杏那も大喜びだ。
その時だった。
「新入生の皆さん!ご入学おめでとうございます。今から入学式を行いますのでクラスごとに並んでください!」
若い女の先生だろうか。
よく通る声で話した。
「莉環、並ぼう!」
「うん。」
二人は3組の看板を持っている先輩の後ろに並んだ。

入学式が終わると
それぞれのクラスでロングホームルームが行われる。
莉環たち3組の担任は
入学式の前に出会った先生だった。
「今日からこのクラスの担任をすることになりました牧野です。よろしくね。」
牧野は先ほどと同じような通る声で挨拶した。
そして高校生の心得やら勉強についてやら延々と話し始めた。
莉環は一応聞いてはいたが、
牧野が言うことは入学式で校長が言ったこととほとんど同じだった。
やっと牧野の話が終わった。
「じゃあ明日はみんなに自己紹介をしてもらうので心の準備をしていてね。はい、さようなら!」
そして高校生活1日目が終了した。

「杏、帰ろう!」
「うん。」
牧野の長い話から開放された莉環は杏那に話しまくる。
「勉強が難しいことぐらいわかってるよね。全く入学早々やんなっちゃう。」
杏那はいつものように優しく言う。
「まあ先生はそういうことをいう義務があるんだから仕方ないよ。でも確かに頑張らないとね。」
「そうだけど〜・・・・」
莉環が続きを言おうとした時、
全く前を見ていなかった莉環は前方から人が走ってきていることに気づかなかった。
「莉環!危ない!」
杏那が言ったときには遅かった。
莉環は前から来た男子とぶつかったのだ。
「莉環、大丈夫?」
杏那が慌てて莉環を起こしあげる。
「うん・・・あの、大丈夫ですか?前見ていなくて・・・すみません。」
莉環は頭を下げた。
倒れていた男子生徒は起き上がる。
そして莉環を上から下までじっくり見つめ言った。
「新入生ですか?」
「あ、はい。3組の光井莉環です。」
莉環は相手が無事だと知って安心した。
「ふーん・・じゃあ同じクラスか・・・」
その男子はにやっと笑った。
「あの失礼ですが、あなたは?」
杏那が怪しそうな顔で尋ねる。
「俺は同じく3組の新川陸(しんかわりく)。光井に一目ぼれしました!」
少しの間沈黙が続いた。
「え、え〜!?」
莉環の声が廊下にこだました。