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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.69 )
日時: 2011/09/19 11:35
名前: 柚莉愛 (ID: g5yX4cMd)

番外編 渉と深雲の出会い—渉side—

中2の冬。
俺は親友に誘われて有名な進学塾に通い始めた。
中3からは本気で受験勉強しないといけないってわかってたし
ちょうどいいって思ってた。
だが親友がその塾を選んだのには理由があった。
「この塾にさ、めっちゃかわいい子がいるんだって!」
何だそれ。
そんな理由でここを選んだのかよ。
俺は正直あきれた。
「とにかく見に行ってみようぜ」
俺は親友とその子を見に行った。

その子はセーラー服で髪を左サイドで一つに結んでいた。
なるほど。
あんな子を世間でかわいいというのだろう。
隣の親友は目を輝かせてその子を見つめていた。
だが今まで恋をしたことのない俺にはその子の魅力が今ひとつわからなかった。
「話しかけてみようぜ」
親友は読書をしているその子の元へ歩み寄る。
俺も仕方なく付いて行った。
「こんにちは。俺たち今日からこの塾に入ったんだ。中2でしょ?よろしく。」
親友が自己紹介をした。
だがその子はまだ警戒心を解いていない。
そんな空気の中俺も自己紹介した。
「えっと中2の光井渉です。よろしくね」
俺はその子を見つめた。
途端にその子の頬が赤く染まる。
俺は予想外の展開に驚いた。
これが俺と深雲の出会いだった。

俺と深雲はクラスが一緒で
授業前後もよく話すようになった。
深雲は男子と接するのが苦手らしいが俺とだけは安心して話せると言った。
それを聞いて俺はちょっと嬉しかった。
親友は他のかわいい子に夢中になって深雲のことはなんとも思っていないようだった。

中3になると塾は週3になった。
けど俺は深雲と週に3回も会えると思うと嬉しくてたまらなかった。
どうやら深雲も同じ気持ちのようだった。

ある日。
塾が終わった俺と深雲は二人で帰っていた。
「光井君・・・話があるんだけど」
深雲の声は震えていた。
「私、光井君と初めて会った時から好きでした」
俺は驚いた。
でも好きって言われてかなり嬉しかった。
これが恋なんだなって初めて知った。
「俺も好きだよ」
そして俺たちは付き合うことになった。
俺は一生深雲と一緒にいようって自分に誓った。