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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.70 )
日時: 2011/09/20 13:09
名前: 柚莉愛 (ID: g5yX4cMd)

第33話

最終章 素直に

デパートからの帰り道。
陸と別れた莉環は一人歩いていた。
先ほどまで陸といたのに
どういうわけか陸に会いたくてたまらなかった。
——何これ・・・こんな気持ち初めて・・・
莉環は自分でも顔が熱くなっているのがわかった。

「あれ・・・莉環先輩?」
ふいに背後から声をかけられた。
莉環は咄嗟に振り返る。
「あ、深雲ちゃん」
後ろに立っていたのは深雲だった。
塾の帰りらしく制服に身を包んでいた。
「もしかしてさっきまで渉と一緒だった?」
莉環の問いに深雲は顔を赤くした。
「あ、はい。でも私行きたい所があったんで先に帰ってもらいました。」
莉環は深雲をみて微笑んだ。
「渉の誕生日プレゼントでしょ?」
「え!?何でわかったんですか?」
どうやら図星のようだ。
「だって渉がいたら困るってことそれくらいじゃない?それに渉の誕生日は夏休み入ってすぐだし。」
「そうなんです。28日に二人でお祝いしようと思って」
渉の誕生日は7月28日だ。
「いいね。渉も愛する深雲ちゃんに祝ってもらえて大喜びだと思うよ」
「もう!莉環先輩ったら!」
深雲は照れ笑いした。
「そういえば先輩達はどうなんですか?」
「へ?」
「陸と先輩ですよ!まだ付き合ってないんですか?」
莉環は笑いながら否定する。
「付き合ってないよ。今は仲の良い友達ってとこかな」
「陸も何やってんだか。もっと攻めなきゃ」
深雲が小声で言った。
そして莉環の目を見つめて言う。
「莉環先輩は陸のこと異性として好きですか?」
「え?」
「友達としてじゃなく異性として恋愛に発展すると思いますか?」
莉環はしばらく声を発することができなかった。
やっと口を開いて出てきた言葉はこうだった。
「わからない。でも正直ただの友達じゃなくなってきてる気がするの。男子に対してこんな気持ちになったのはじめてかも・・・」
——なんだ・・つまり両想いじゃん
深雲はため息ついた。
「じゃああと一息ですね。もうちょっと陸が押していかないと。先輩、おやすみなさい」
深雲は足早に莉環の元を去ってった。