コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ダイスキっていいたいよ ( No.71 )
日時: 2011/10/01 22:11
名前: 柚莉愛 (ID: g5yX4cMd)

第34話

デパートで莉環と別れた陸は
一人家路を目指していた。
お腹が空いたため途中でコンビにに寄る。
そこで見かけたことのある後姿を見た。
「あれ?渉じゃん。」
「陸先輩」
コンビニでおにぎりを買っていたのは渉だった。

買い物を済ませた二人は並んで歩く。
渉は塾帰りのようだ。
「そういえば深雲は?」
「何か行きたいところがあるって帰りました」
「ふうん」
話題もなく陸がどうしようか迷っていると
不意に渉が声を発した。
「陸先輩って姉ちゃんのこと好きなんですよね?」
陸は他人からそう言われると恥ずかしかった。
「ん・・・まあ、そうだけど」
「姉ちゃんも好きじゃないですか。だから両思いですよね?」
一瞬陸の顔はりんごのように真っ赤になったが
すぐに否定した。
「いや、それはないよ。だって莉環は恋はしないし好きでもない人と付き合えないってはっきり言ったし。」
渉は思っても見ない答えに目を丸くした。
「あの人素直じゃないしな・・・」
陸に聞こえないくらいの声で言った。
「陸先輩、がんがん押してください。多分、気持ちは陸先輩に傾いていると思うんで。」
陸は莉環の弟の渉にそう言われると照れたが
素直に肯いた。
「おう。わかった。じゃあな」
そう言い走って家路を目指した。