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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ダイスキっていいたいよ ( No.72 )
- 日時: 2011/10/06 18:49
- 名前: 柚莉愛 (ID: g5yX4cMd)
第35話
翌日。
莉環は杏那と登校した。
「おっはよ」
いつもどおり千里が駆け寄る。
「ねえ、昨日は良い感じだったの??」
杏那と千里は陸とのことを言っているのだ。
「え・・?いやあ・・・別に・・・」
莉環は顔を赤くした。
いつもと違う反応に二人は驚いた。
「おはよ!」
その時陸が教室に入った。
教室の中心で輪を作っていた数人の女子が陸を手招きした。
「陸君、ちょっと話があるんだけど」
そう言ったのは以前莉環と杏那の関係を壊しかけたあの小池葵だった。
「ん?」
陸は自分の机の上に荷物を置くと
葵がいる女子の輪に入っていった。
よくある光景なのになぜか莉環は胸が痛んだ。
——なんで・・?陸が女子と話しているだけでこんなに胸が痛むの・・?
莉環は杏那と千里の前では平然と装いながらも気が気でなかった。
そしてチャイムが鳴った。
みんな一斉に席に着く。
陸も莉環の隣に座った。
莉環は恐る恐る陸に聞く。
「あのさ・・・あたしには関係ないってわかってるんだけど聞いていい?」
「ん?何?」
「さっき小池さんたちと何話してたの?」
陸はいつもと莉環の態度が違うのに気がついた。
「ああ、何か夏休みにどこか遊びに行かないかって誘われて。」
「行くって言ったの?」
陸は驚いて莉環を見た。
莉環は耳まで真っ赤になっている。
——莉環どうしたんだ?何かかわいい・・・
陸は莉環がやきもちを焼いているのだと思った。
「行かないって言ったよ。だって約束しただろ?莉環たちとどっか行くって。」
陸は満面の笑みだった。
それを聞いて莉環の顔がかがやいた。
「そっか。何か変なこと聞いてごめんね。ありがと。」
——陸はあたしたちの方を優先してくれたんだ!!
その日一日莉環は機嫌がよかったが
理由を知っているのは陸だけだった。
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