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Re: ダイスキっていいたいよ ( No.73 )
日時: 2011/10/06 19:17
名前: 柚莉愛 (ID: g5yX4cMd)

第36話

その日家に帰った莉環は昨日陸にもらったパンダの抱き枕を手に考えていた。
もちろん考えていることは陸のことだ。
——あたしどうしちゃったんだろ・・・一生人を好きにならないって思ってたのに・・・・
莉環は自分でも気づき始めていた。
陸が好きだと。
だがあれほど杏那や千里、陸本人にも恋はしないと断言していただけにそのことを認めれずにいるのだ。
「友達・・・?本当に・・・?陸は友達なの?」
「何が?」
莉環が驚いて声の先を見るとドアの先に渉が立っていた。
「ちょっと!ノックしてって言ったでしょ!」
「したよ。何回も。でも姉ちゃん気づいてなかったから。」
渉はやけににやにやしている。
「何なのよ・・・用がないなら出て行って。いろいろ考えてたんだから」
「陸先輩のことだろ?」
渉はどういうわけか変なところに敏感だ。
「どうしてわかったの?」
莉環はしまったと思い口を覆った。
自ら認めてしまったのだ。
「だって『陸は友達なの?』って言ってたし。」
莉環は返す言葉がなかった。
「いい加減素直になれば?姉ちゃんの態度見てれば誰でも姉ちゃんが陸先輩を好きなことわかるから。」
莉環は顔を真っ赤にした。
渉は笑いを必死で堪える。
「姉ちゃんが素直になれば両思いだろ?そしたら姉ちゃんも陸先輩もみんな幸せ〜なんだし。」
莉環は先ほどから黙っている。
「まあ姉ちゃんが陸先輩のこと好きじゃないなら今のはおせっかいだったかもね。じゃあ俺、今から塾なんで」
渉はそう言うと莉環の部屋を出て行った。