コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ダイスキっていいたいよ ( No.85 )
日時: 2011/10/14 20:03
名前: 柚莉愛 (ID: g5yX4cMd)

最終話

莉環と千里が海から上がるの同時に杏那と大吾が戻ってきた。
「いろいろ買ってきたからみんなで食べよう。」
5人は近くのベンチに座る。
大吾がたこ焼きをみんなに渡す。
杏那はジュースを渡した。
お腹いっぱい食べ終えた5人は海に入ることにした。
「杏那は高科君と入りなよ。で、莉環は新川君と。私はちょっと疲れたから休んでる。」
千里は莉環たちに気を使ったようだ。
「大丈夫?」
莉環が心配する。
千里は莉環の耳元で囁いた。
「私は平気。それより莉環心の準備は?告白するんだよね?」
「うん。かなりドキドキしてるけど大丈夫。」
「そっか」
千里は莉環に微笑むとベンチの方向へ歩き出した。
莉環はふと振り返った。
すでに杏那と大吾は泳いでいて陸が待ってくれている。
「陸ごめん。行こう」
「おう」
二人は海へ向かって駆け出した。

陸とふざけあいながら莉環はたくさん泳いだ。
休憩には砂浜でお城を作ったりした。
二人からは笑い声が絶えない。
「あたし海でこんなに楽しいと思ったの今日が初めて。」
「俺も。」
気がつくと杏那たちはもう更衣室に戻っており、
他の人々も消え、
夕日が二人を照らしていた。
「そろそろ冷えてきたしあがるか。」
「うん」
二人は海からあがった。
砂浜を歩いていると
莉環は今まで心地よく感じていた風がいきなり冷たく感じた。
思わず身震いすると陸が自分のパーカーを莉環の肩にかけた。
「あ、ありがと」
「あのさ莉環がよければあそこでちょっと話さない?」
陸は夕日が良く見えるベンチを指差した。
「うん」
二人はそのベンチに向かった。

ベンチに座ってから二人はしばらく黙っていた。
鳥の鳴く声が聞こえる。
蝉の音がうるさい。
「あ、のさ・・・」
「あ・・・のね」
二人の声が重なった。
「あ、ごめん。先言って。」
「こっちこそごめん。莉環が先に言ってよ」
「わかった」
莉環は覚悟を決めた。
「あたしね、入学式に陸に告白された時『恋とか興味ない』って言ったでしょ?あの時はそう思ってたの。あたしは一生恋はしないって。でもね、ある人があたしの心を揺さぶったの。」
莉環は大きく深呼吸した。
海の塩のしょっぱい味がした。
「それは陸だよ。あたし陸と友達になって陸と仲良くなっていくうちにどんどん気持ちが傾いていった。もう友達じゃいやなの。陸の特別になりたい。今さらだってわかってる。でも自分に嘘はつけないから」
陸は笑った。
「あ〜あ・・・俺情けないな。莉環から告白されるなんて。俺が先に言いたかったのに。」
「え?」
陸は莉環を見つめた。
「俺の気持ちはあの時から変わってない。今も俺の一番は莉環だよ。友達じゃいやだって一番思ってたのは俺だよ。人を初めてこんなに好きだって思ったんだ。俺と付き合ってください。」
莉環は陸の返事を聞いて涙を流した。
「はい」
陸は莉環の返事を聞くと莉環の手をとり握った。
「莉環に思いが届く日がいつか来て欲しいと思ってたけどまさかそれが今日だなんてな。」
「え?」
「今日8月2日は俺の誕生日。人生で最高の誕生日になったよ」
陸は莉環を抱きしめた。
「陸・・・」
莉環は恥ずかしかったけれども幸せでいっぱいだった。
「じゃあ誕生日プレゼント。」
莉環はそういうと陸の頬にキスをした。
鳥と蝉の鳴き声がさらに大きくなる。
それは二人を祝福しているようだった。