コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- リバーシブル ( No.25 )
- 日時: 2011/04/21 20:29
- 名前: 北野(仮名) (ID: kBbtVK7w)
=第十九話=second and third battles
なぜだ?
なぜ、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
こいつは今、俺の剣を防げたんだ?
まぎれもなく俺は超速戦闘を使っていた。
あいつの視界の外から斬りつけた。
一撃で決める自信があった、そのはずだった。
それになぜあいつが俺を差し置いて龍紋木刀を・・・
フッ、まあいい。だったら確実性をとろう。
「なさけねえなあ」
一旦、烏合の衆の方に向き直る。
「部外者に立ちいらせるほど、切羽詰まってるなんてな」
これを聞いた連中はさすがに頭にきたのか、ぎゃあぎゃあ
わめきだした。
「15歳以下という条件をつけたのはどっちだ!」
「人質取って何のうのうとしてやがる!」
本当に無様極まりない連中だ。
すぐにかっとなる低俗なやつらに元より勝ち目はない。
いや、あっても剥がしてやるよ。こんな風にな。
龍牙は思わず噴き出しそうになるのを我慢する。
「図に乗るなよ」
その耐えられぬかと思った高揚感はこの一言で打ち消される。
背筋を冷や汗が伝い、動悸が激しくなる。
今感じているこの感覚は何年も味わっていない。これは・・・・・
恐怖
とてつもない重圧のかかる中、ゆっくりと後ろを振り向く。
もちろんそこには紫表しかいない。
5メートルぐらいのところで、構えも取らずに立っている。
だがそれにも関らず、全くスキがない。
「伊達家と関係ないだと?ふざけるな」
お前も分かってんだろ?そう言って、犯罪者を見つめる冷たさと、
こらえきれないほどの怒りをたたえた目でこっちを見てくる。
「これを持ってるってのは」
刹那、紫表の姿が消える。
さっきとは違い、あのくそ忌々しいじじいも反応できていない。
「そういうことだろ」
そしてまた、一瞬の内にして、出現する。
木刀が龍牙の脳天に当たるその瞬間に剣は動きを止めた。
完全に反応出来なかった。
背中だけではなく、いつの間にか、首筋、そして額にまで、
冷や汗が伝ってくる。
「俺は、現当主の零花様の剣の技術を全て継承した者だ」
廃工場前、そこに代介は立っていた。
なぜそれ以上進まないかというと、まあ理由は一つしかない。
「邪魔だおっさん。そこ、どいてくれ」
目の前にいる長身のやせたおっさんにそう言った。
おっさんとバカにされたにも関わらず、そいつは表情を変えずに、
手をパキパキッと鳴らし始めた
「ココを通すなと言われてるもんでね」
そう言ってボウガンを取りだした。
「古風な武器だな。俺が言えることじゃあねえが。
ところで、ココを通すなと・・・」
そこで代介が一拍置く。そのとき、空気がざわめくような感覚がした。
「誰に言われている?」
そして、ざわめきの強さは頂点へと上り詰めた。
「おまえのような小僧に負けてやるほどやさしくないぞ」
「あんたみてえなクソヤローに、手えぬかれるほど弱かぁねえぞ」
ざわめきは収まり、代わりに、嵐の前の静けさが訪れた。
あんのヤローーーーーーーー
さっきまでの恐れはかき消えて、代わりに代介への怒りが伊達を
覆いこむ。
「先輩に対して・・何が臆病者だっ!」
急いで玄関の方へと向かう。
家の前に人の気配がする。
バアンッとドアを足で蹴って開ける。
「誰が臆病者だ!代か・・・ん?」
そこにいたのは全然違う人だった。
「すいません、人ちが・・」
「これはこれはこんにちは。美千流さんですね?
私蟹原と申します。普段は情報屋でして、こんな場に出てくる
ことは滅多にないんですけどあの人の依頼ですので・・・」
後ろの棒状のカバンから、するすると棒を取り出す。
良く見ると、先端には鋭利な刃が付いている。
これは、どっからどう見ても槍だ。
「仕方なく闘いますよ」
さっきまでの温厚な目と言葉づかいは豹変し、
あのときの人と同じ雰囲気を放っている。
そう、あの母さんを・・・
瞬時に、自分の体を恐怖が包み込む。
また、何かを失ってしまうのではないかという強大な恐怖。
それは、瞬く間に、全身を支配し、体を硬直させた。
「貫け、鋭槍」
目と鼻の先まで、刃が迫ってくる。
その瞬間、背後から、鞭を叩きつけるような音と、
何かをぶん殴った音の中間地点ぐらいの、
バアァァンッ!!という音が聞こえる。
私に槍が触れるより先に、目の前にいる蟹原という男が吹っ飛んだ。
「あんたなんか先輩が相手するまでもないのよ」
基裏がさっきまで蟹原が立っていたところに現れる。
「私の『ドリームバード』で充分ですから」
続く
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次回予告(もどき)
ついに戦いが本格的に始動予定