コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

リバーシブル ( No.38 )
日時: 2011/04/30 19:28
名前: 北野(仮名) (ID: qVlw.Fue)

=第二十九話=反動


「じゃあな、お前ら。俺の負けだ」

ずたずたの体を一生懸命に龍牙が起こす。
今の言葉を言うだけでもかなりギリギリの様で、
さっきからずっと肩で息をしている。

「こんなことをしておいて、おめおめと逃げおおせるつもりか!」

弟子の無責任な行動を大地(今さらですが男の方の当主です)が
叱責する。
そして、掴みかかって怒鳴りつけようとズンズン近寄っていく
大地の道を紫表が手で遮った。

「これ以上何かを言う必要はありません」

龍牙は驚いたように紫表を見つめた。

「お前、あの正宗のことばの意味が分かってたんだろう?
 だから最後にあの問題が出てきた。俺の予想と同じだった」

龍牙が入力した問題を思い出す。
ああ、あれかと言って昔を懐かしむような声で答えてくれた。

「あれは、俺がやさぐれる前に見つけた答えだ。
 お前と同じってことはきっと合ってんだろうな」

やや苦笑しながらそう言った。

「龍牙様!」

扉からもう一人誰かが入ってきた。

「てめえ、まだ闘るってぇのか?」

どうやら、代介が片付けたやつらしい。
服は爆風に当てられたようにボロボロで、
髪の毛もチリチリに焼け焦げている。
何が起こったらこうなるんだ?
とその場の人間は考える以外に方法は無かった。

「前園か。撤収だ。もうこいつらに手は出さない」

やっぱりそうか、と言う様な顔つきで、はいと言って
龍牙の後ろについて行く。

「烏丸紫表」

いきなり、龍牙は振り返らずに紫表に話しかけた。

「お前には貸しが出来た。絶対返してやるからな」
「貴様まだそんなことを!」

大地が叫んだが、紫表も龍牙も、そんなことは
お構いなしに会話を続けた。

「まっとうに生きるのか?」
「当たり前だろ」

アホか、という言葉と共に鼻で笑ってきた。
その場の人間は龍牙の態度の変化に
おや?と言いたげな顔つきになる。

「ありがとな」

それだけの短い言葉で今の心境を龍牙は述べた。




「終わった・・・のか?」

なんだか大変なことの連発で、事態を上手く
頭の中に収束しきれていない治がポツリと呟いた。

「ああ、そう・・」

             ズキンッ!

紫表が何かを言いかけた時、
いきなり顔をしかめた。

             ピシピシッ!

「うあっ!!」

紫表が腕を押さえて倒れ込む。
さっきまでと違い、途端に息が荒くなる。
痛みに耐えているようにも見える。

「どうした紫表!」

すぐさま治がかけよってくる。

「今診るちょっと待ってろ」

そう言って医者志望の治の診察が始まった。


10分後

「結果・・・体を酷使しすぎたせいで、
 ひどい筋肉痛に襲われてる。三日間は痛むと思う。
 三ヶ月くらいは体もきしむと思う。だから・・・」

こんな痛そうにしてるのに筋肉痛?
みなの頭の中に拍子抜けの念が駆け巡る。

「当然じゃ。本来伊達家ではない者は極度に超速戦闘を使うと
 こうなることを知らんのか?」

治の説明を遮って零花はそう伝えた。

「だから・・・まあ・・・とりあえず普通の運動はOKだけど
 三ヶ月は超速戦闘・・・禁止な」




                          続く


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小島「今回短っ!」

紫表「まあまあその辺は・・・」

基裏「てかなんで伊達家の人は使っても大丈夫なの?」

美千流「そういうのに特化した肉体を生まれつき持ってるらしいわ」

代介「怖ろしい一族・・・」

治「俺医者志望って絶対みんな忘れてたよな!」

沙羅「って訳でSEE YOU AGAINでーす」