コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

リバーシブル ( No.4 )
日時: 2011/05/01 13:47
名前: 北野(仮名) (ID: CYOxNglE)

=第二話=真相

午後5時50分牧村教室の前にて

「あと十分か・・」
白谷が自分の髪を整えながら言った。
「すいません、ちょっと塾があるんで帰ります」
そう言って崎野手が30分程前に帰ったあとだった。
「そういや、予告状出して、犯人ばれたらその人どうなるんです?」
基裏が伊達に聞く
「未遂だからなんもないよ」
「ふーん、そうなんですか」
ふと時計を見ると53分。
「すいません、ちょっとトイレいってきます」
そういって紫表が一旦その場を離れた。
「全く、のんきなやつだな」
早太が時計を見ると55分になっていた。
「よし、みんな、絶対犯人わ捕まえるぞ」
「お---!!」「・・お、おー!」「・・・・・おー」
伊達、基裏、治の順に恥ずかしさが強まり、声が小さくなる。
〜5分後〜
「・・・来ないな」
「はい。紫表いつまでとい・・」
「そっちじゃないない」
早太の質問に治がとんちんかんなことを答える。
「犯人がこないの」
基裏が訂正する。
「わーってるって」


=その頃=
教室に潜む黒い影。てにはバットを持っている。
「あの連中もバカだな。パズル部とか言ってるくせによ」
そしてバットを振りかぶった。
「塾には行かなくてもいいのか?」
黒い影がバッと振り向く。そこにいたのは・・・
「烏丸・・・紫表・・・」
「よお、真犯人さん」
「・・・なぜ、ここだと分かった?」
「財布だ」
「ちっ、実際はばれていたというのか」
「あぁ、なんでガードなんてまわりくどい言い方をして、
 守るという分かりやすい言葉を使わない理由を考えた。
 そして、気付いたんだ。あのセリフにも意味があるって、な」
曇っていた空がだんだん晴れてきた。
「財布を落としたということはあのたぬきにバカ、とかおっちょこちょいだという意味をこめるためだ。そして、その真の意味は・・・」
西日が射してきて教室の中に紅い光が差し込む。
「間抜けだ、ということだ。そうだろ?崎野手?」
「ばれたか」
そう言って崎野手は諦めたかのようにバットを転がした。
「あそこからさらにまを抜くと真崎の魔の手から、が
 崎野手からになる。そして牧村は木村になる。だからここに来た」
「ここまで来たらお手上げだ。よく分かったね」
「正直言って確証はなかった。だから上はみんなにまかせて、
 こっちを見に来たってわけだ」
「完敗だよ」
そう言い残して崎野手は去って行った。
「ミッションコンプリート(依頼完了)だな」
もうすでに日は落ちていた。

                      つづく