コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- リバーシブル ( No.40 )
- 日時: 2011/05/01 09:32
- 名前: 北野(仮名) (ID: CYOxNglE)
=第三十一話=えっ、あの黒いの何?競争?は?嫌ですけど
山頂に着く途中に、きれいな清流があった。
水はそこに無いと思えるほど澄んでいて、
鱗がとても美しい魚が何匹も泳いでいる。
ときおり、その魚たちは水面から飛びあがり、
ピチョン、という音を残して水底に帰っていく。
水の中を良く見ると、魚だけではなく小さい虫もいる。
確かゲンゴロウって名前だったかな?
理科の教科書に出ていた。
治は教科書の挿絵を思い出した。
ん?なんか代介の様子がおかしいぞ。
あーめんどくさって顔してる。
てか視線はある一点に注がれ続けている。
自分もその方向を見てみることにした。
あれ?なんか黒いのがある。でっかいなあ。
なんだろうあの黒いの?おっ、動いたぞ。
高さは二メートルくらいかな。
腹に三日月見たいな模様がある。
鋭い爪にき・・・ば・・?
えっ・・・あれもしかしたら
「せんぱーい、熊出ました〜」
やっぱり————!!
熊って!熊って!!熊ってええぇぇぇ!!!!
てか代介大声出すなっ!気づかれる。
もうそうなったら終わりだぞ。
熊の走行速度は時速60キロ。
人間?どうあがいても40かそれ未満が限界です。
瞬歩ぐらい使えたらどうにかなるかもね。
「まだブ○ーチネタ入れたよ作者」
小島さん、今それどころじゃないっす!
とかなんとか言って治がわちゃわちゃとしている間に
熊はいなくなっていた。
「代介・・・熊って聞こえたんだけど・・・気のせい?」
青ざめた基裏と沙羅がやってくる。
まあこれが正常な反応だ。てか代介少しはビビれ!
伝えてくれ!し・ず・か・に・な!!!
「じゃ、コレ見ろ」
手元のデジカメを二人に手渡す代介。
映っていたのはすぐそこの景色と黒い物体。
あ〜沙羅半泣き。
「大丈夫だ。もうどっか行った。みんなさっき渡した鈴持て」
伸治いわく、熊は臆病な動物で、鈴を鳴らして
ここにいますよアピールをすると、逆に寄って来ないんだとか。
鈴未さ〜ん、きゃっきゃ喜んでいる場合じゃありません。
宗治さーん、どこに電話してんすかー?
「話によるとだな・・・近くの動物園から脱走したそうだ」
マジか!アブねぇッ!早く捕まえろ!
ガサゴソという音がして後ろから何かが、いや誰かが
飛び出してきた。
「そういうことだお前ら!」
何この人たち?迷彩柄の服着てるよ。
五人もいるよ。銃(といってもエアガン)持ってるよ。
何?サバゲやってるだけのおっさん集団じゃね?こいつら。
「サバイバルゲームやってて面白い話を聞きつけた。
どうだい君たち?勝負しないか」
結局そうかい。てか勝負?何の?
「うぜーんだよヒマ人ども。失せろ」
代介!失礼辛辣極まりない!!やめたげて!!!
「まあまあいいじゃないか。勝負内容は熊を先に捕まえたや・・」
「ぜってー、ヤダ!!!」
治、宗治、伸治が断固反対する。
たかこいつらほんとに代介の話聞いてたか?
タフなの?話聞かない達人なの?
「やめてやれよ。お子様たちにそれは酷だ」
後ろにるややすかしたやつが話に入ってきた。
お子様の部分を強調して。
「・・・なんだと?」
伊達先輩、怒っちゃだめです!
「誰が・・」
基裏、シャラップ!
「おこさ・・」
「てめえら頭冷やせ」
グッジョブ代介!助かった。
もうこのおっさん集団のせいで命を懸けた闘いが始まりそうだったよ。
「君は熊が怖いのかな?」
明らかに挑発と見てとれる言い方で刺激しようと
ややオタクじみた格好のおっさんが代介に詰め寄る。
「安い挑発。てかキモい近寄んな。あんたらこそ熊に
びびってんじゃね?」
「代介、失礼すぎる!!」
あいつほっといたら何言い出すか分かんねえ。
「てめえ、、試して欲しいのか?」
元ヤンキーでしたよって感じのやつも出てくる。
「面白いこと言うね。試させてあげよっか?」
嘲笑うような口調でさらに挑発をしかける。
てかこいつわざと怒らしてるよな。
「ま、宿題終わってヒマだし、相手してあげてもいいよ」
結局!?待て、俺は了解していな・・
「オッケー。でもそっちは10人と多いな」
さっきのすかした奴も再び参戦する。
「あれ〜お子様相手に自信ないの〜」
ここぞとばかりに伊達がさっきの仕返しをする。
やっぱこの人黒いな。
「鈴未ちゃんは危ないので参戦しないよ。だから9人」
まあそうだわな。もう保護者として伸治さんも帰ってくれ。
基裏、今のついでに伸治さんと雄太さんも帰してやれ。
めっちゃビビってる。
えっ俺?熊?
怖いに決まってんじゃん。
でもね、ここで断るとあの二人がもっと怖い。
それが誰かは御想像にお任せするけど。
「ということで、7対5になりました」
あっ、沙羅の理性が壊れた。
やる気まんまんじゃん。
てかお子様発言にイラっと来た?
「それぐらいなら調度いい。ではスタートだ」
続く
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健史「何やってんだあいつら!」
伸治「私に聞かれても・・・」
鈴未「熊さん見たかったな—」
雄太「やめなさい・・・」
零花「美千流め、すぐに熱くなりおって」
大地「母親そっくりじゃ」
紫表「zzz」
健史「こいつはまだ寝てるしな・・・」