コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

リバーシブル ( No.44 )
日時: 2011/05/04 21:49
名前: 北野(仮名) (ID: Evvrhazt)
参照: 話進めよっか

=第三十三話=準備タイム


「よし、行動を開始する」

春とはいえ、もう五月。五時でもまだまだ明るい。
別に西の空が紅く輝いている訳でもなく、日が地平線に
沈もうとしている訳でもない。
まだ地平線よりはやや高めにあり、雲は白く、空は
透き通るような青さを誇るようにそこに存在している。
あと一時間ぐらいは明るいのではないだろうか。

「いよっし、探すぞ」

リーダーの耕介は準備が出来ているか仲間たちに呼びかけた。
轟は頭にバンダナ巻いて、戦闘スタイルに入っている。
どうやら本気のようだ。目には気迫の色がうかがえる。

それに対して佑輔は脂ぎった顔に汗を浮かべて急いで、
バカだろと言いたくなるような程時間をかけてリュックサックを
いじっている。

自分含めて他の三人は用意はとっくに終わっていた。
よって、かなり無駄に時間を喰ってしまったのである。

「やっと出来たのか」

待ちわびていたかのように瞬が言葉を放った。
顔からは退屈そうなオーラが発せられている。

「じゃあ・・・出発な・・・」

なんかもう・・・無理じゃね?とか考えながら耕介は
愉快なパーティーを率いて進んで行った。



〜30分後〜

「いねえな」

普段あまり喋らない心が疲れた顔つきでそうつぶやいた。
ふと振り返ると轟はまだまだいけそうだが、スポーツの苦手な
瞬や、体型が太っている佑輔なんかはすでにへばって
方で息をしている。

「しようがないな。休憩だ、周りには気をつけろよ」

耕介はそう言う他無かった。
実際自分も疲れているし、急な襲撃のときに疲労しているのは
命にかかわる。一旦疲れを取ることにした。
都合良く展望台があったのでそこから見えないかどうか確かめる
ことにした。おそらく見えないであろうが、どんな景色が
見えるのかは興味がある、ってことで轟と耕介はそこに上ってみた。

見える景色は中腹で見たものと大して変わりはしなかったが、
川には代介たちがいた。どうやら辺りを見渡しているようだ。

「何をしてるんだ?あいつら」

轟が隣にいる耕介に聞いてきた。

「俺に言われても・・・川に来るあてでもあんのかな?」

ちょっとこれはみんなと相談してみる必要があるな。
そう思った二人は展望台から下りた。


「—————という訳だ。どう思う?」

三人に聞いてみたがあまり良い反応はうかがえない。
全員頭の中に?が巡回しているであろう。
みんなうつむいたまま、眉間にしわを寄せて考えている。

「だったらまずなぜ川にいるか考えた方がいい」

心が鋭いところをついた。ここぞというときに必要な発言をするのは
いつも決まって心なのだ。

「川にあるのは・・・水かな?」

佑輔がそのことについて最初に自分の意見を述べた。

「そうだな。水にどんな利点があるか、それが重要だ」

瞬も積極的に話に参加している。

「やはり、野生の者なんだから・・・飲むんじゃね?」

そう耕介が言うと、みんなが、それだ!というような顔つきに
なった。これを見てからようやく自分も気づくことが出来た。

「そうか!水辺にいたらもちろんのこと」
「生き物だから寄ってくる」
「そこを捕えれば」
「いける!!」

全員の声が重なった。もうこうなったら詰んだも同然だ。
あとは川に熊が来るのを待ってそれを捕まえればOKって話。

「よっしゃ行くぞ」


〜〜〜〜〜〜〜〜30分前 ANOTHER SIDE〜〜〜〜〜〜〜〜


「うーし、川行くぞ〜」

小休憩を取った後、治がみんなに呼び掛けた。
まだ額にうっすらと汗は浮かんではいるが、疲れはみんな
取れたようだ。顔も赤くないし、血色も悪くない。
呼吸も全員整っている。
人の体調が分かるとこんなこともできるんだな、そう思いながら
一歩ずつ歩きだした。





川までは下り一直線なので迷うことも疲れることもほとんど
ないはずだ。事実、半分を超えた今でも沙羅ですら息がほんの少し
荒くなっている程度だ。
いきなり、歩きながら代介が皆に注意を呼び掛けた。

「見つけてもすぐ手は出すな。腹減ってるときに邪魔すると
 俺たちがメシになるからな。満腹の時をねらえ」

サラっと言ったが途中とんでもない言葉がまじったぞ。
メシになる?なってたまるかこの野郎!

そうして、川に着いた。さすがに下流なので穏やかだが、
水の流れはある。水の流れに従って砂利や小石は運ばれ、
水の流れに逆らって魚は泳ぎ、暮らしている。
そして、水の流れなど無いかのように岩はそこにあり続けている。
さっきの清水のように澄んでいるかと思ったが、
上流から旅をしてきているだけあってやや濁っている。
それでも、浅い川なので川底を見ることは出来る。
透明なきれいなエビも水底にいる。
いつの間にか太陽の一番下が地平線と接していた。
調度西の地平線は川と重なっていたので、太陽の紅い光が
キラキラと水面で反射している。
カメラマンなら即座にカメラを取りだしてシャッターをきるであろう。

その景色に見とれている間にも着々と時間は過ぎている。
代介は、ハッと気づいたように時計を見た。

「よし、みんな一旦さがれ〜」

そうして一人さっさと茂みの方に行ってしまった。
その姿に続いて、沙羅、基裏、治、伸治、伊達、小島の順に
付いて行った。






さて、勝負はこれからだってことで・・・・・・・・続く




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紫表「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
   zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
   zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
   zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
   zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」

治「手抜きかぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」