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Re: リバーシブル    ( No.60 )
日時: 2011/06/13 18:25
名前: 北野(仮名) (ID: XK5.a9Bm)

第四十八話 ヒント争奪戦




「・・・何すかこれ?」

山道を歩いて進んで来た小島さん一行は罠にかかりながらもめげずに
上から見た人という名の清流にたどりついた。
だがそこでは奇妙な光景が展開されていた。
ヒントを見せまいと、必死で守る健史、
絶対に見てやろうと息巻いている波、天、爽の三人組だ。
河原で転げまわっているのであちこち打っているし、
擦り傷もできている。
孤軍奮闘して一番頑張っている健史くんに至っては
もうすでに服もボロボロだ。
やっぱり武将の子孫だなーと思うことはみながみな
竹刀を持って戦っていることだ。
でもね、私有地以外で木刀や竹刀を振り回すと
銃刀法違反で逮捕される可能性があるよ。
たとえ事情を説明したとしても遊びの許容量を超えていると
お叱りを受けること間違いないよ!

ん?木刀・・・


          〜〜〜


「ハックショん!」
「人にうるさいって言ったのに自分もくしゃみしてんじゃねーか」
「余計なお世話だ・・っくしょーいっ!」
「こいつマジで風邪引いてんじゃね?」

          〜〜〜


「うわっ!」

さすが!容赦の無い一撃。
一瞬の隙を突いて健史は爽を蹴り飛ばした。
またしても小石の絨毯を転げ回り傷を増やす。
どんだけ夢中なの?Mなの?と軽く聞いてみたい。

「Mじゃないよ。あいつはただの変態」

爽同様に健史に吹っ飛ばされた天がまだ言葉にしていない
治の疑問に答えた。

「お前もそのタイプかよ」

ここに来てまだ治のテンションはダダ下がりする。
一番向こうでまともそうな人間はまたしても
天の声に干渉するタイプだったの・・

「どういうタイプよ」
「人の内話文遮らないで。いやー要するに人の心が読めるたい・・」
「んなもんできる訳ないっしょ」

バッカじゃないの?
虫を見るような目で天は治を睨んだ。
これを聞いたとき、若干治の気分は元に戻った。
しかし、なぜ質問に答えたかが腑に落ちな・・

「あいつを見たらそう聞くに決まってんのよ」
「分かった!お前は一般人だ!早く竹刀をどけて!」

イラつきが頂点に達し続けている天は
さっきからずっと治の脳天に竹の剣を振り下ろす
用意をしていた。

「何命令してんのよ」

バシッ!

「あ痛ぁっ!」

あの野郎、人が頼んでんのに
ぶん殴りやがって・・・

「誰に?」
「会いたいじゃねえよ!あ、痛い!だよ。バァァァァァァカ」

スパアンッ!

「痛い!」

くっ、容赦のない二発目。
だがここで負ける訳には・・

「五月蠅いのよ!」
「誰が五月蠅くさせてんだよ!そして分かったお前は人の言うことを遮るたい・・」
「うざったいわねえ」

さっきまで片手で持っていた竹刀を今度は両手で持った。
そして自分自身の頭上にゆっくりと持ち上げた。

「伊達流剣術基礎ノ型兜割」
「タンマタンマタンマタンマァッ!!」

鬼!鬼神!悪魔!極悪非道としか言いようが無い!
ここでおれはやられてしまうのか!?

「いーけないんだいけないんだ当主様に言っちゃお〜」
「・・・何の用?波」

いつの間にか波というもう一人の女子もやって来ている。
もしかして他人に暴力を奮うなと言いに・・

「さぼっちゃダメだよ!」
「そっちかよ!」

あっ!つい反射的に言ってしまった。
もしこいつが天と同じタイプだったら・・・・・

「それ以外になーいでしょー」
「OKお前は頭が春なんだな」

要するにただのスットコドッコイ。

「天、サボったら雷様がおへそを撮っていくよー」
「それは最早犯罪者だ」
「なんでー?分かんなーい」
「撮ったらストーカーでしょ」
「あっ、ホントだ!録らないと!」
「より悪質になってる・・・」

撮るは写真で録るはビデオ的なものです。
明らかに両方犯罪だが。
いやあー、打ち間違いっていいっすねー
勝手にネタになってくれる。
っていうかそれ以前に・・・

「お前らそれ何歳児の脅し文句だよ・・・」
「一億万歳!」
「一億万なんてねーよ」

まじでこいつ頭大丈夫かな?

「違うわよ。波はこの前宝くじ当たった人をドラマで見て一億円万歳って言ってるのよ」
「いや、でも会話内容と合わな・・」
「この子にまともな会話ができると?」

結論、波と天と付き合うには熟練の技が必要。




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紫表「なあ、代介。俺もう帰って・・」

代介「ダメ」

紫表「なんでだよ!ってか最後までいわせ・・」

代介「ダメ」

紫表「ちょっと俺筋肉痛なんでけ・・」

代介「ダメ」

紫表「腹減ったー。なんか食いに・・」

代介「アメ」

紫表「飴玉なんかいるかぁっ!てかここ・・」

代介「クエ」

紫表「なぜ片言!?少しはまともに・・」

代介「着いた」

目の前に広がるのはとっても大きい漁港。

代介「お使い〜クエ買ってこいやー」

紫表「クエってそういうこと!?」

代介「話聞いてなかったのか?」

紫表「言わなかったろ?」

代介「言いました。土下座してる時に(爆笑中)」

紫表「お、覚えとけ!」

代介「ハハ、主役がザコ敵のようだ」




                            続く