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- Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜 8話更新 ( No.20 )
- 日時: 2011/04/22 14:05
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
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「な、なななな、なんで!?何で悪魔がいr——へぶしッ!」
「あたくしの素性を勝手に暴露しないでいただけます?このぼんくらが」
目の前にいる美少女は、俺の胸ぐらをつかむとそっと耳元でささやいた。
とたんに背筋に冷たい汗が伝う。
「あれ?ローズさんと良介って知り合いだったの?」
「それは俺の台詞だ。香里はこの女と知り合いか?」
「うん。当たり前じゃない。——だって今日から一緒に暮らすんだもの」
……はい?
今俺の右耳から聞き逃してはいけない単語が入ってきた。そして左耳から抜けていく。
「ちょっと待て。今なんと言った?」
「聞いてなかったの?耳悪いんだから…。今日から一緒に暮らすっていっt——」
「何だとぉぉおおお!!!」
次の瞬間、俺はおそらくすべての事情を知っているであろう母親のケータイに電話をかけた。そして携帯越しに聞こえるのは、妙に間延びした母親の声が聞こえてきた。
「あらぁ〜。良から電話なんて、珍しいわねぇ」
「いったいどうしてあの女が一緒に暮らすんだ!!あの女とお袋はどういう関係なんだ!!あの関係の素性は知っているのか!!」
「もう、良ったらぁ。そんなに一気にまくし立てられると、何から答えればいいのか分からないじゃない〜」
「すべて話せ!!」
くっそ…。たまにこのお袋の性格が嫌で嫌でたまらなくなる。
良いから答えろ!!
「えっとねぇ。あの子は私の友達の同級生の娘の知り合いの人なのよ♪」
「結局は赤の他人って事だな!?そうなんだな!!」
「良?人は必ずどこかでつながっているのよ?赤の他人って事はないの」
「確かに深かったけど、今言うところじゃないだろ!!」
自分の親ながらも、本当にいらついてくる。
良いから話せ!!
「良はせっかちねぇ。帰ったら話すわよ」
「もう良い。あの女に聞く」
諦めた俺は、即電話を切った。そして後ろで聞いていたあの女と香里の方を見る。
「それにしても、ローズさんってすっごく綺麗ですよね!」
「あら、当然ですわ?」
「オススメの美容法とかあります?」
「そうねぇ。十分な睡眠と、栄養バランスのとれた食事。あとは、夢を見ることね」
がっくり。
女二人は、俺がお袋に悪戦苦闘している間。ガールズトークに入ってしまったらしい。
と言うか、香里はローズという名前について何も思わないのか?明らかにおかしな名前だろ。
「夢…ですか?」
「そう。たとえば、私の場合は人間界をほろb——もごっ」
「わぁあああああ!!!!」
「な、何よ良介!?」
明らかに言ってはいけない言葉を察知した俺は、ローズの口を両手でふさぐと、2階の自室へと引きずり込んだ。
「はぁ…はぁ…」
「ちょっと、何なんですの?せっかくあたくしのすばらしい野望——もとい夢を、
愚かな人間に公表して差し上げようとしたのに…」
「野望って認めたな!!」
「あら。ごっほん。それで?あなたは何が知りたいのかしら」
こいつ…。しらばっくれるつもりか。
とりあえず俺が知りたいのはただ1つ———。
「どうして俺の部屋にお前の荷物があるんだぁぁぁああああ!!!」
本日何度目かも分からない叫びをあげた。