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Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜12話更新  ( No.24 )
日時: 2011/04/22 14:14
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

13

「……はよ」
「おはよう、良ちゃん」
「さっさとご飯食べてよね」

いつも通りの朝の風景。しかし、平凡的な台所に異様な人物が居る。

「ふふっ。あたくしの手料理を食べられるなんて、贅沢ですわね。あなたは」
「……全然似合ってないな」

コーヒーの匂いが漂うリビングに、ピンクのエプロンをつけたローズがにっこり笑う。
……はっ。似合わないな。
日常的な朝の風景に、異様なほどの美人な女が朝食を作っている。
考えても見ろ。笑い話だぞ。

「似合わないって…。あなた、そんな言葉を女性にかけるなんて最低ですわ」
「ほんと、さいてー」
「…………」

口うるさい妹が加わったため、俺の敗北は決まった。

「ほら。みんな早く食べて。学校遅れちゃうわよ」
「「「はーい」」」





「今日はなんと、このクラスに転校生が来ています!!」

朝倉先生の一言で、一気にクラス中が騒がしくなった。
うるーせよ。しかも、前の席から何倍も煩い奴が話しかけてくるし。

「なーなー。女子かな?男子かな?」
「知るか」

1人思い当たる奴が居るがな。自称悪魔の美人が。性格悪魔の美人さんが。

「……なぁ良介。お前昨日一日で老けたな」
「失礼な。やつれたと言え」

ま、どっちも同じなんだがな。

「はいはい、静かに!では、入ってきてくださーい」

ガラガラ…

扉が開く音がしたかと思うと、男子の下品なざわめきが俺の耳に入ってきた。
……やっぱりこいつか。

「ローズ・ウィンディです。よろしくお願い致しますわ」

教壇の前には、自称悪魔、性格悪魔の女が立っていた。
特上のスマイルを手土産に。

「ローズさんの席はねぇ。……佐々山さんの後ろ!」
「えー?」
「そりゃないぜぇ。あんな変人の後ろなんて」
「馬鹿がうつりますよ、先生」

……本人が目の前にいるのに、よくぼろくそ言えるなぁテメーら。

「良介、ぼろくそ言われてるな」
「黙れ。俺はお前よりもすぐれてると自負して居るぞ、次郎」
「ひどっ!」

ふんっ。
そう言っている間もブーイングは止まらない。
あーうざい。やっぱり平凡な生活というのはつまらないんだな。

「……凡人よりは多少変人で居た方が、人生得するからな。
 俺はお前たちより勝ってると自負している」
「なっ!?」
「ちょっと時代劇オタク!!なんて言ったぁ?!」
「時代錯誤野郎のくせに何言ってんのよ!!」

俺は正直に言っただけだ。それの何が悪い。

「……先生、あたくしの席はあたくしの同居人の後ろで良いのですね?」
「そ、そうね。ちょっと変わっているけど、面白い人よ?」

そんなやりとりが前から聞こえてきたが、無視だ無視!!