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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Voice of the devil〜悪魔の声〜 2話更新 ( No.7 )
- 日時: 2011/04/14 17:37
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
04
——放課後——
放課後。俺はとある部室に向かった。
ここ一ヶ月来るのを忘れていたため、少しほこり臭い。
俺が入っている部活は文芸部。部員は総員で1人。つまり俺だけの部活だ。
ここの部活審査は甘い。自分がやりたいと思った部活を、簡単な書類審査した後に、部活を認定する。
最初にやるのは掃除か……。
そう思い、掃除道具を片手に部屋の電気
をつけたときだった。
———誰だ?
部屋の中央にある、1つだけのデスクに美しい少女が座っている。腰まである長い髪の毛は赤い。そして恐ろしいほどに白い肌に切れ長の鋭く、赤い瞳。長いまつげもおまけ付き。形の整った鼻に厚みのない赤い唇。一瞬、口紅でもつけているのかと思ったが、そうではなさそうだ。
そして、その髪、瞳、口の赤い色はまるで———。
「……血?」
「あら、どうしてあたくしの好きな物が分かったんですの?」
その美少女は透き通るような美声を発した。言葉遣いは何処かの姫のような、上品な言葉。
「…お、お前は誰だ——」
つばがのどに引っかかって、うまく声が出ない。それほど俺は驚いていると同時に、恐怖を感じていていた。この世のものとは思えないほどの美しいこの少女に。
「…ちょっと、このあたくしにこんなほこり臭い部屋に、長時間居させて。どういうおつもりなの?」
「……質問に答えろ。お前は何だ」
落ち付け、落ち付け、と心の中でつぶやく。
「あたしの名前はローズ・ウィンディ。悪魔界からやってきた、あなたの契約者———」
あくま…けいやくしゃ……。
俺はすぐそばにあった辞書を引いて、その言葉を調べた。
ああ、あくまは「悪魔」で、けいやくしゃは「契約者」か……。
頭の中でようやく漢字に変換できたとき。俺は言葉にならないような奇声を発していた。
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