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Re: †妄想プリンセス×女装腹黒プリンス†  ( No.119 )
日時: 2011/07/04 22:26
名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: D1V3wC8j)
参照: 自分へのご褒美は——・・金! 行きたい場所は——・・二次元!

番外編                           麻美の恋物語(麻美が病んでます。注意!)


英 要・・貴方が好き。大好き。

私だけのものになって欲しい。

私だけを見て欲しい。

いっそ目隠しして手足を縛って私しか居ない洞窟に放り込んでおきたい。

でも、貴方は私だけのものじゃないね————……。

「麻美!」

紅葉ちゃんが元気に話しかけてくる。

「元気ないね、どうしたの?」

「別に何でもないよ・・」

「ふーん・・・ねえ杏子!」

杏子っていうのは中谷 杏子(ナカタニ アンズ)。

ハニーブラウンのストレートの髪に、真紅の瞳。

英君と付き合ってるって噂が流れてる人。

「杏子ちゃん・・・」

「麻美、最近おかしい。どうしたの?」

「何でもないって・・」

「嘘だよ! なんか隠してるでしょ!」

「何でも・・「嘘!」

「何でもないったら!!」

私は机をバン! と叩いて立ち上がり、教室中に響く大声を上げた。

クラスメイトがみんな私を見てる。

「麻美・・どうしたの?」

「紅葉ちゃん・・・。」

「アタシ達、麻美が心配なの。

 麻美がスキだから」

私もスキ。

でも、分からないでしょ?

好きな人に好きになってもらえない苦しさなんて。

「麻美、もしかして・・・恋の病?」

私、生きててここまで驚いたことはない。

私の表情や言動だけで恋だって気づかれた。

紅葉ちゃんは、凄い。やっぱり、私の憧れだよ——……。

「ど、して・・」

「だって一時期私も同じ病気にかかってたよ。

 今もかかってるし。」

え!?

あの学園一モテると言われている紅葉ちゃんが・・好きな人に好きになってもらえないなんてことがあるの!?

「「だ、誰!?」」

「う〜ん・・どうしよっかな・・」

「教えてよ〜紅葉ィ〜!」

「じゃあ……ヒント。

 ドSで私はいじめられてるけど・・たまに優しい人。」

それだけじゃ、分からない。

「誰よー!」

「じゃあ・・もうちょっと。

 剣道部。」

「け、剣道部〜?」

剣道部でドSだけど優しい?

居ないよ・・そんな人。

「まあ、麻美や杏子には分からない・・かな?」

「「分からない・・よね。」」

私と杏子は顔を見合わせた。

—その夜—

私は安心した。

この世にはモテモテで明るくて優しい人だって叶えられない恋がある。

私だけじゃない、ってこと——……。