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Re: †妄想プリンセス×女装腹黒プリンス†  ( No.128 )
日時: 2011/07/20 23:26
名前: 汽水 ◆8DOUeLxBGc (ID: D1V3wC8j)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=qQSuJsK-97s

第65羽                             決勝戦


『ドキドキ……』

私、ただいま超緊張しております。

決勝なのですよ!

「み、水でも飲んで落ち着こう・・。」

ペットボトルを持つ手が震える。

「ゴクゴク……」

正直言って……怖い。

後10分で私が歌わなければならない。

「うぅ……」

こんな状態で上手く歌うことなど……出来るのだろうか。

「もみるん♪」

「あれ!? みっちゃん!?」

「大丈夫? 番号票忘れてない?」

「ええ——!?」

「どうしたの?」

「ない、ない……番号票がないんですっ!」

「嘘!? 後5分よ!?」

ホテルまで最低30分。

もう無理だ。

「もう、無理です・・。

 あれがないと……棄権したことになってしまいます・・。」

「…………」

坂本きょう……みっちゃんが意を決したように言葉を発した。

「取りに行くわ。今すぐにね。」

「無理ですよ……もうおしまいです・・。」

「方法があるの。」

そのときみっちゃんの体が透けた。

「何の障害物もなければ大丈夫。」

そう言うとみっちゃんは壁の中へ消えてしまった。

私はその場にへなへなと座り込むことしかできなかった。

—3分後—

「もみるん。」

「みっちゃん……?」

「ハイ。」

「ありがとうございます。——!?」

みっちゃんが更に薄くなっている。

「どうしたんですか!?」

「私ね、もう消えなきゃいけない。」

「何でですか!?」

「この世に未練がなくなったからよ。

 もみるんがコーラス部に入ってくれて本当に嬉しかったの。

 最期に君の声、聴かせてくれないかな——?」

「……ハイ。

 君の言葉に 忘れていたものを思い出す
 それが例え 何であっても
 君に出会えた それが僕の幸せさ
 ありがとう 君に伝えたい
 ありがとうの 唄」

「もみるん、君は……
 
 今、とっても輝いてる。

 自分で光を放ってる。」

「!? い、行かないで!」

みっちゃんは光に包まれながら消えていった。

涙が溢れて止まらない。

『藤原 紅葉さん? ……!?』

「大丈夫です。私、歌います。」

私はステージに上がる。

「私、この歌を天国の貴方に届けたいんです。

 貴方が教えてくれたこと。私、一生忘れませんから!」

(参照をクリック! これが紅葉の歌声です)

「天国に居る貴方に……この声は聞こえたでしょうか。」

宣伝なんてどうだっていい。

みっちゃん……。

「さようなら——」

最初から涙が出ていたが、今はもう号泣。

顔は酷いことになってるだろう。

私はステージから降りる。

「みっちゃん、貴方が大好きでした。」

—三日後—

私は日本に帰ってきました。

大会は見事優勝。

天国のお母様……と天国のみっちゃん

私、大会で優勝しました。