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- Re: My‘Dream ( No.6 )
- 日時: 2011/05/07 20:51
- 名前: 。+苺香+。 ◆IrmWJHGPjM (ID: JD5DDSYn)
*・*・*第3話*・*・*
「女性の方とお子さんは、どうぞこちらへ!家族がいらっしゃる方はそこに向かって下さい!」
警察が解放された人を誘導している。
いいね、解放されて。お父さんや、そのほかの男の人は、まだ、中で苦しんでるって言うのに。——犯人グループがしゃべりだした。
「残っているのはあと4人。こいつらを俺たちのアジトへ連れて行く。」
——!アジトに?!
「やめろ!金なら用意する!いくらだ?」
「金で解決できるってもんでもないんだけどなあ。まあいい。今から30分以内に10億用意しろ。」
『?!』
10億?そんなことどうでもいいからお父さんたちを解放して!
そんな柚月の思いも届くはずがない。
「おい!いくらなんでも30分以内に10億は——」
「うるさい。これから残りの4人を豪華なところで養う金だ。安いもんだろ?」
豪華なところで養わなくていい。お父さんを返してよ!
「分かった。準備はするが、10億は無理だ。せめて……」
「そうだな、せめて、3億かな。さすがに10億は無理だろう」
警官たちもだいぶほっとしたようだ。
だが30分以内に3億円——。それでも難しいことだった。
「30分だぞ〜?早く用意しろ。」
—30分後。
警察はやはり3億も用意してこられなかった。
お父さんが連れて行かれる——。
「おい、よく聞け。3億は無理だった。しかし2億なら—」
「ほう……、2億ねえ。——約束が違うじゃねえか!!!」
犯人がいきなり怒鳴った。
「3億って約束だったよな?2億はもらっていく。もちろん、残りの4人もな」
そんな!お父さんは連れて行かれるの?お母さんと日茉莉が隣で顔を覆いながら泣いていた。
私がやるしかない。私は犯人グループに向かって飛びかかった。
—そこからはあまり覚えていない。
かすかに車のエンジン音がした。勝てなかったのか……。
日茉莉が叫んでいる。お父さんを守れなかった……。
私がもう少し頑張っていれば、お父さんは助かったかもしれない。
柚月の心の中には、罪悪感だけが募っていった……。