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Re: 小説カイコ ( No.97 )
日時: 2012/05/12 23:23
名前: ryuka ◆wtjNtxaTX2 (ID: ijs3cMZX)
参照: オバマさん最近白くなってきてないか??

ほっしーはかなり有能であった。

なにせ時間の回し方がうまい。こーゆー人を時間の使い方が上手な人っていうんだろうなぁ。
ちなみに男子のマネージャーは部活史上初らしい。っていうか学校初じゃないかとまで言われている。

さらにほっしーは遊び好きであった。

「お?誰だ、ここに人生ゲーム置いてったの?」

ほっしーが入部して今日で一週間。小久保のシトラス&ミントの匂いがむんむんと漂う放課後の部室で、張先輩のロッカーの横になぜか、真っピンクのキティちゃんの人生ゲームが忽然と置いてあった。

「えー?キティちゃんとか可愛いっすね。張先輩のじゃないんですかあ?」飯塚が面白がって言った。
「馬鹿言え、俺にこんな趣味ねえぞ。」
そう言いながらも、張先輩は興味津々に人生ゲームを凝視している。
「あ、それほっしーのですよ。」なぜ俺が知っているかと言うと、ほっしーがこっそり人生ゲームを置いていくところを部活が始まる前、たまたま目撃してしまったのだ。

「ほっしー?!」
「ええ、部活の後にでもやるつもりなんじゃないですかね。ほっしー自身は今、鈴木のハードルのT.T.に行ってるから、まだ来ないでしょうけど。」

「人生ゲームかぁ。楽しそうだね〜。俺、一回こーゆーのやってみたかったんだよね。」佐藤先輩がニコニコしながら言った。「国由君とほっしーが帰ってきたらみんなでやろうよ!」

張先輩は「はぁー?」とか言ったが、一番ノリ気なようだった。





そして鈴木とほっしーは六時ごろ帰ってきた。

「ほっしー、これお前のだよな?」張先輩が聞いた。
「あ、もうバレてました?みんなでやろうと思って……」ほっしーは恥ずかしそうに頭を掻いた。「みなさんやってくれます?」
「やるやる!張先輩が超やりたいって言ってた!!」そう言って調子に乗る飯塚の脇腹に、張先輩が間髪入れずにチョップを食らわした。


そして、人生ゲーム大会が始まった。飯塚の提案で、一番富豪になった人が一番貧乏になった人になんでも命令できるという、人生ゲーム+王様ゲームみたいなルールとなった。

俺も佐藤先輩と同じく、人生ゲームをするのは初めてだった。妹が家に友達を呼んで、楽しそうにやってるところは何回か見たことはあるが……

一番はやくゴールしたのは鈴木だった。鈴木の持ち金は一万三千で、ドレスとピアノのカードをゲットしていた。

「俺が王様になった暁には覚悟しとけよ〜。特に佐藤先輩と高橋とか。」

その後、飯塚、張先輩、ほっしー、小久保、という順に順調に皆ゴールしていき、残るは俺と佐藤先輩となった。……佐藤先輩はさっきからルーレットで1か2しか出てなくて、俺は『一回休み』のコマに四回も止まっていたからだ。

やばい。このままだと鈴木にトンデモ命令をされてしまう……!
しかし焦ってもどうにもならないのが人生ゲーム。まさに人生と同じである。
ついに佐藤先輩にゴールされてしまい、そこでゲームオーバーとなった。堂々の最下位である。

「お、てことでビリは高橋かな?」鈴木がニヤニヤしながら言った。
「や、待て。持ち金がいくらだか数えてないだろ。」張先輩がこれまたニヤニヤしながら言った。

持ち金数えが始まった。
結果は鈴木が一万三千で変わらず一位で、二位は一万ぴったりで、張先輩。俺と佐藤先輩が三千五百で同着最下位であった。