コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 四人目 野田弘樹の場合 ( No.11 )
- 日時: 2011/04/26 23:39
- 名前: 天神千尋 (ID: UAMHtL4A)
野田"レジェンド"弘樹の紹介
あだ名は無い、我々の間ではノダと呼ばれていた。そしてノダのエピソードを話す際、畏怖と敬意をこめて人はレジェンド オブ ノダと呼んだ。
そのレジェンドの一端を語りたいと思う。
ノダとの出会いは高校二年。高校二年からは文系クラスと理系クラスに分かれることとなった。理系での進学を希望した俺は、新学年となり顔ぶれの変わった教室を眺めて深く絶望した。モリワキとネギも理系を希望した為、1クラスしかないこの教室で同じように絶望に満ちた顔をしていた。
「まぁ期待していなかったし、当然っちゃー当然な結果だよな。」と俺
「いやぁ、ここまでとは」とネギ
「はぁぁぁぁぁ...」とモリワキ
そうなのだ、今年の理系クラスは女子『0人』なのである。どこかの大学ポスターで「日本の中にあるアメリカの大学」というキャッチコピーを見たことがあったが、こちとら、「共学の中の男子校」である。見渡す限り学ランの黒い海である。暗澹たる気持ちでいると担任のこれまた男性教諭がやってきた。
「お前らメスがいなくてがっかりしているかもしれないが!!一番がっかりしているのはこの俺だ!!!!」
という自己紹介そっちのけの挨拶からスタートしたホームルームは新学期にあたり健康診断をするので書類を後ろにまわせ、と目の前の何度見ても「男」が紙を渡してきた。これが、伝説の男ノダとのファーストコンタクトである。
第一印象は、おにぎりが似合うデブという印象である。首が太く短い、頭は坊主で後から聞いた話では、小学生の頃から警察の道場で柔道を習っていたが道場でいじめにあい辞めたとのこと。何より特徴的なのは極度の遠視である為、分厚いレンズのメガネをかけているという、素でコントができそうな容姿なのである。
ただ容姿に似合わずノダは非常にガリ勉で、教室の一番前の席を先生に直訴して、教室移動がある場合でも常に先生の向かいに座るまじめな男だった。あまり人とも会話をしないおとなしくてデカイ『トトロ』みたいなやつというのが新学年開始から一ヶ月、同級生をやってきた俺の印象であった。
席も近い上になんとなく、影のある性格にシンパシーを感じて話しかけはすれども、返事はもごもごと口の中で溶けて消えてしまう。極度の人見知りと後々になってわかるのだが、その当時はそんなノダの煮え切らない態度にイライラしたものです。