コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

四人目 野田弘樹の場合2 ( No.12 )
日時: 2011/04/28 00:27
名前: 天神千尋 (ID: UAMHtL4A)

そんなある日、ちょっとした事件が起きた。

クジ運がまったくないこの俺が、ブルーハーツ東京ドームライブのチケットプレゼントを当てたのである。ネギもモリワキもブルーハーツの大大ファンであったので、教室で俺の当たり葉書を見るや土下座で祈り始めるほどの喜びよう、朝からテンションマックスである。

葉書1枚で4人まで入れるので、ここからの懸案事項は誰を誘うかである。無論、第一条件は『女子!』できればかわいい子!という意見は一致するのだが、『そのあては?』となると途端に3人とも首を捻ってうなり始めてしまうのであった。

すると、目の前でおにぎりが動いた、そしておにぎりが振り返った。いや、ノダなんですけどね。真っ赤な顔をしているので、何だ梅干味か?なんて思っていると、

「俺!行きたいです!!」

と叫んだ。クラスの人間全員が「え?」という顔であっけにとられているとノダは俺の両手をしっかと握り

「お願いします!本当に行きたいんです!(甲本ヒロトを)生で見たいんです!」

他人から見ても誤解されそうな台詞にあわせて両手をしっかりホールドされて、お...犯されると思った俺はとっさに「い...いいよ」と返事をしてしまいそうになる、とネギがそれを遮り
「東京ドームまでの三人分の交通費は出してな、それが条件だ」
ということで、非常に残念だが交通費という最大の難関が解決するのであればと、ライブ参戦四人目はノダに決まったのである。

その日の帰り道、コンビニで立ち読みでもしようかと信号待ちで自転車を止めていると向かいの道路で見慣れた巨体がヤンキー数人に囲まれていた。


よく見るとおにぎり顔のノダであった。