コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 大嫌い ( No.2 )
日時: 2011/04/27 20:27
名前: 宇莉 ◆I/.b8govos (ID: XWaTNhUS)

第一話**



大好きな君の彼女は、———







                  …私の昔からの大好きな友達。





***


新学期が始まった。
私達は色んなことを乗り越えて、進学をした。




久しぶりに会った友達と教室で仲良く話す。
たわいもない会話だ。
でもそのたわいのない会話が私にとってかけがえのない時間だった。




その会話の中に時々雑音がはいってくる。





「川村、怜と付き合ってるの?」





違う、違う、違うっ…!
その名前は聞きたくない!



頭でそんなことを思いながら、外見では冷静を装う。


「付き合ってないよ。」






ただ一言をいうだけで精一杯だった。
目には涙をためる。必死にこらえる。


下を向くと涙がこぼれそうになって違う方向に顔を向けると、丁度怜を目があった。








         ———私は、目をそむけるしかできなかった。



***



…佐々木 怜。




それは私が昔好きだった人。

でも怜には彼女がいて、その彼女は私の友達で、









             それはしてはいけない恋だった。






怜を困らせ、彼女を泣かせ、私は最低だった。
だから私は怜を諦めて、すべてなかったことにしている。






          いや、なかったことにしたいと思っている。
          
          それがたとえ最低なことだったとしても。















ねえ、怜。



本当にごめんなさい。
私は君に何もあげれないけど、せめて幸せになることを願ってます。

私のことを恨んでかまいません。
でも君は君らしく幸せになってください。





***



新学期は期待感もたくさんあるけど、めんどくさいものだと思う。
特に最初なんか最悪っ!




決めることがたくさんあって頭がおかしくなりそうだ。



「結莉ーっ」
「ん?」



部活仲間の菊池 未優に遠くから手を振られる。
私は何も考えずに未優のところに走り出す。



未優のところにいくと、ひっぱられて教室の隅に連れて行かれた。


「えっえ!?何々?」

状況が理解できない私に未優は、最高の笑顔で見つめてくる。
いいことがあったんだな…、馬鹿な私でも分かるほどだった。



「あのね、結莉。今から言うこと誰にも言わないでね」
「うんうん」

いいから早くしてくれ。
そう思いながら私は、適当にうなずく。





「私ね…、





 
                    彼氏できたのさ!」



いきなりの未優の告白に、私は頭がさらにおかしくなった。
でも未優はとてもうれしそうだった。
私はただなんとなく、「誰?」と聞いてみた。

一瞬ためらった様子で未優は、口をあけた。




「…伊藤 真潮」





一瞬目の前が暗くなった気がした。




その名前は、私の元彼氏。




















                 そして今の好きな人だったから。




                    第一話** end