コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 大嫌い。*実話* ( No.15 )
日時: 2011/05/06 19:47
名前: 宇莉 ◆I/.b8govos (ID: ByQjFP4v)

第七話**



翌朝。
私は重い目をこすり、目を開けた。

さっき目をつぶってから10分しかたってないですよ…。
そう思いながら時計を何度も確認する。


「結莉ー、おーきーろっ!」



下からお母さんのでっかい声が聞こえて私は返事をする。
重い足取りで階段を下りて行った。



***


あっという間に学校に着いてしまった。
…時間が早い気がする。


そう思いながらも私の足は、いつも通り教室へと向かう。
3階にある教室まで私はつま先立ちでいく。

それが私の変な日課だった。


やっと階段を登り終えて、私は息を荒くしたまま教室へと入った。


「おはよう」
「結莉、おはよーん」


色々な声が飛び交う。
その中には当然遥希もいた。


「ゆーりちゃん?話しましょ?」



遥希がある意味怖い目で見つめてくる。
…にっ、逃げれない。


遥希にあったらすぐに逃げようと思っていた私は身動きができなかった。


「私トイレに…「うちもいく」




…即答だった。
こんなに早く返事をされるんだったら、返事以外何もできなかった。


私と遥希は2人でトイレ…、地獄の場所へ向かった。


***


「んーで?結莉は真潮が好きなの?」
「んー、そんな感じ?」
「どんな感じだよ!」


とりあえず話を流そうとする。
しかし自分で何をいってるかわかんないほど、私は意味不明なことをいっていた。


そんな私をバカだと思ったのか、それとも観念したのか遥希はこんなことを言い始めた。



「ってか私、結莉のブログを未優に教えちゃった。」










……ん?
今、なんていったかな?遥希ちゃん。

一瞬私は何がなんだかわからなくなる。
これは夢?それとも現実?



もう一度目をこする。



確信した。
…これは現実だと。



もう一度最初から考えなおす。


うちはブログに真潮のことを書いていて、

それが遥希にばれて…


うちのブログを未優に教えたってこと?


1つ1つ考えていくうちにこのことの重要さに気付いた。ブログを知ってしまったってことは、未優がうちの好きな人を知ってしまったってこと。

昔にみたいになっちゃう。
そんなこと絶対に嫌だ。


そう思った私は、トイレに入った遥希を置いてトイレをすぐにでた。


***


未優のクラスにきたのはいいけど、中にはいる勇気までもでてこない。

もし、未優に無視されたらどうしょう。
もし、遥希がいったことが嘘だったら変に思われてしまう。


色々な不安が私の頭を駆け巡る。
私の不安以前に、未優が悲しんでいたらどうしょう。

そう考えるといてもたってもいられなくなる。
でも行動にうつせない。



…その時



私の気持ちの迷いをあざ笑うかのように、チャイムが鳴った。


何もできなかった自分のみじめさに悔しがりながら私も教室に戻った。

教室では先生がくるまで、皆が立ち歩きをしていた。
私はさっき置いて行ったことを遥希に謝り、席に着いた。

次の時間の準備をすると共に、メモ帳を一枚とりだす。
一番上の行には、「未優へ」と下手糞な字で書く。



でもその次の文が見当たらない。
…なんてかけばいいんだろう。

考えても考えても思い浮かばなかった。
そんなことをしているうちに、先生がきて自動的に授業がはじまった。


もちろん未優宛ての手紙はまだ最初の一行以外白紙だった。

***

授業が終わる。
私は教科書をしまうのと、同時にさっきの手紙もだした。

もう一度だけ文章を考えてみる。
…いきなりいうのもおかしい気がする。


「結莉ー?いる?」


見覚えのある声が私のクラスに響き渡る。
私は声に反応して後ろを向いた。








                …未優だった。

私は少しとまどいながらも、未優のところへと駆け寄る。
その私とは反対に、未優はとても笑顔だった。


「聞いて、聞いて!真潮がね…——」



…未優、気にして…ない?
いつも同じ様子の未優が目の前にいる。


もしかして遥希、嘘ついた?



私は、手の中にあった未優宛ての手紙を小さく握りつぶした。



              第七話** end